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没頭できることを求めて

2018年3月時評 歳を取ると楽しめる作品が減るメカニズム

3月も終わりである。桜も咲くだけ咲いてとうに散ってしまった。桜の名所と呼ばれる場所の近くを通り過ぎることはあったが、なぜあんなにも混雑している場所へわざわざ出向くのか未だ理解できない。が、心中を察する。

個人的に3月と言えば米国のアカデミー賞の季節である。映画に順位をつけるという笑止千万な行為の祭典ではあるが、そうでもしないと生きれないのが人の性であるし、楽しんでいるのだから否定し難い。

そんな映画ではあるが(映画に限らずではあるが)、加歳と共に楽しめる作品が減っている気がしている、いや変化しているだけかもしれない。何れにしても映画鑑賞における感性に変化が生じている。これは当然のことと一笑に付すことも可能だが、それもまた一興と言うことで、少し考えてみたい。

なぜ歳をとると楽しめる作品が変わるのか?端的に言えば「登場人物への共感のポイントが変わる」からだ。

高校を卒業した後に、中高生の悩みには共感し辛い。妥協や強制もあったかもしれないが、それらは紛いなりも自分で解答済みの問題だ。同様に、就職して数十年経た後、新卒就職を目指す大学生にも心からの共感は厳しい。「そんな時が自分にもあったね」とは思えど、感情移入をするほど共感はしないはずだ。仮に激しい共感するとすれば、その時期の自分に並々ならぬ後悔があるパータンだろう。

つまり私の仮説をまとめると次の通りになる。

「加齢と共に経験の種類が増え、各々に仮の答えを出し続けた結果、自分の中で既に回答済みの悩みを抱える主要人物の文芸作品は楽しめなくなる。」

例えば大量の小説や漫画を読み、大量の映画を観るとする。そこには実に様々な人生の形があり、実に様々な人生の課題が描かれている。それを対象に受容することにより、自分単体以外の人生のパターンを経験し、さらに実人生の経験とも相まって「こう来たらこう返す」のパターンが大量に生成される。そしてそのパターンも繰り返されるうち洗練され、いつしか確固たる人生の答えになっていく。

正解を知っている問題に悩んでいる人間には苛立ちを覚える。「その時はこうすればいいんだよ!お前の悩みなんて人類の歴史で何億万回と悩まれて、何億万回と解決されてる悩みだ!全っ然特別な悩みじゃない!言うほど特別じゃないから!正解は既にあるんだよ!あるんだから悩んでないで選びなよ!!」と、まぁこんな感じだろう。

だからもし「楽しめる作品が減って来ている」と感じたら、このパターンに入っているのかもしれない。

人間は常に正しい選択だけをするわけではない。そうであれば不倫や戦争は起こらないはずだ。それでも、人類の知恵の蓄積を蔑ろにするのは勿体ない。願わくばより多くの人が同じ轍を踏みませんように。

 

さて、ではそれらを踏まえて次の議論に移ってみたい。世の中には、歳を重ねても同じ作品を愛し続ける人々がいる。変化が生物の宿命だとすれば、彼らの行為を如何に説明すべきなのか?エントロピー増大を止め、彼らは変化を止めてしまったのか?

この現象に対する仮説は2つだ。①その作品が何度も見るに耐える普遍的なテーマを扱っている、②年齢を重ねるし従って共感するキャラクターを変える。

そんなこんなで1200字になってしまった。気が向いたら来月書こう。(1338字)

 

 

登木健司の「難関大英語長文講義の実況中継」は最難関受験生にオススメ

表題の通り、↓こちら登木健司先生の「難関大英語長文講義の実況中継」を1周したのでレビューを書いていきます。

購入を検討している受験生の参考になれば幸いです。

登木健司 難関大英語長文講義の実況中継【早慶上智・関関同立・MARCHレベル】 (実況中継シリーズ) 登木健司 難関大英語長文講義の実況中継(2)国公立大学編 (実況中継シリーズ)

結論から言うと「いい本だけど、使用者は選ぶ!」

そんな感じです。それでは早速いってみましょう。 

 

 

基本情報

  • 作者::登木健司
  • 出版社: 語学春秋社(実況中継シリーズで有名な出版社)
  • 発売日::2017/10/24(最近)
  • ページ数:524ページ(参考書の中では分厚い)

524ページと結構厚めですが、これはこの本の特徴でもある「講義形式の丁寧な解説」のためでした。

 

目次と掲載問題

設問付き英文が全部で11問掲載されています。出題大学と文字数は以下の通りです。

  1. 青山学院大学 経済学部
  2. 早稲田大学 社会科学部
  3. 早稲田大学 社会科学部
  4. 早稲田大学 法学部
  5. 京都大学
  6. 京都大学
  7. 早稲田大学 文化構想学部
  8. 慶應義塾大学 文学部
  9. 早稲田大学 理工学部
  10. 慶應義塾大学 環境情報学
  11. 学習院大学 理学部

いずれも有名難関大学で出題された英文が収録されています。

少し補足を入れると、京都大学の英文は伝統的に短く、慶應大学の文学部と環境情報は大学受験の中でも最長クラスの英文が出題されます。

 

レベルと特徴

上記の出題校からわかるように、レベルとしては早慶レベル、英文としては受験最高峰の難易度です。

ただし、設問自体はそこまで難しいわけでもありません。読めない部分があっても正答できる問題もあります。

仮に点数が高くても慢心せず、精読したあと何度も音読して復習して下さい。英文の内容も面白いので、繰り返し読んでも面白いです。

受験に必須か?

やらないと早慶合格できないか?と言われればそんなことはありません。ややオーバースペックなところもあります。

レベルが追いついていなければ手を出す必要はありませんし、他教科が足を引っ張っているならそちらの対策をやった方が賢明です。

まとめると、既に英語が得意な人がもう一歩上に行くための参考書です。

 

この参考書に取り組んでいい条件

既に言及した通り、レベルは優しくありません。この問題集に取り組むべき人(というか条件)を3つ挙げておきますので、参考にして下さい。

ここをクリアせずに手を出しても得るものは少ないかなと思います。

 

1.シス単レベルの英単語帳を1冊終わらさせいる(9割以上覚えている)

2.ネクステアップグレードの様な網羅型問題集を終わらせている(正答率9割以上)

3.共通テスト過去問マーク模試でリーディング80点以上(100点満点中)得点出来る

 

この3つ全てを満たしたら、この参考書に取り組んで良いです!

条件に合わない人は、先ずは単語を覚え、文法の基礎定着に取り組んで下さい。そうすれば共通テストレベルで8割超えれます。

具体的にはこちらに書いてある事を一通りやった後がオススメです。

 

特徴は現代文的な読解アプローチ

英語長文の参考書は世の中に山の様にありますが、本書の特徴は何か。

それは 英語を読むのに現代文的なアプローチを取り入れている点です。

実際、現代文講師の安達雄大先生の現代文コラムも入っており、そこで用語の解説もしれくれています。

なぜ英語の参考書に現代文的なアプローチを入れる必要があるのか。それは抽象度の高い英文に対応するためです。

 

難関大の英文は抽象度が高い

過去問などに取り組んでいて、何を言っているのかよく文章に出くわした事はないでしょうか?和訳を読んでもよくわからない文章。それが抽象度の高い文章です。

偉人伝や身近なテーマなど、イメージがしやすいものは読みやすいです。一方で「美の概念」「無限について」「幸福とは何か」といった話題は普段接する機会がなく抽象的です。

抽象度が高くなるほど、頭でイメージしにくくなり、理解しにくくなります。

スマホが普及した理由」はイメージできるかもしれませんが「哲学的ゾンビクオリア働き」は検討もつかないと思います。

 

なぜ抽象度の高い問題が出題されるのか

なぜ抽象度の高い文章が出題されるかというと、学問の性質にあります。

学問を修めるとは極めて抽象度の高い行為です。さまざまな事象から共通点を見つけ出し法則化する。乱暴に言ってしまえばそれが学問の目的です。

学問とは具体を抽象する行為、大学とは学問をする場所、だから大学は抽象的な思考が出来る人間を求めているのです。

 

 

抽象度の高い文を読むためのアプローチ

では難関大学の抽象的な文章を読むためにはどうすればいいか?これには2つのアプローチがあります。それは①背景知識を増やす、②論理的に読む、の2つです。

 

①背景知識を増やす

入試にはあるあるのテーマがあります。

対人関係、移民、女性の社会進出、スマホ、テクノロジー、経済学、脳科学、言語、ざっと挙げるとこんな感じですが、このへんの基本的な概念を知っているだけで、一気に英文が読みやすくなります。

言い換えると「教養を増やす」となりますが、そのために読書をしている時間はありません。

多くの英文に触れながら、知識を増やしていきましょう。その際注意してほしいのが、知らない単語や概念を逐一(電子)辞書で調べて下さい。

辞書を読んでなんとなく分かったで満足するのではなく、人に聞かれたら答えられるレベルで理解してください。

 

②論理的に読む

どんなに知識や教養を増やしても知らないことはあります。全く事前知識のないテーマが出題されることもあります。

しかし、安心して下さい。英語のテストは教養を問うものでは無く、あくまで英語力を問う試験です。

背景知識を知っていた方が読みやすいのは間違いありませんが、無くても解答できる様に作成されています。

そこで大事になってくるのが論理的に読むことです。

 

論理的に読むとは

論理的と言ってもそこまで難しい事ではありません。

AはB、BはC、よってAはCが分かれば十分です。未知の内容を読むときはこの因果を抑え、単語同士の関係を理解するよう努めて下さい。逆にそこさえ抑えられれば正確に読解できます。

この論理的に読む手法としてロジカルリーディングと呼ばれる手法がありますが、本実況中継のコンセプト元となっているのが横山先生のロジカルリーディングだと思われます。横山先生は元々東進で英語を教えていた先生で、現在は大学で教鞭を取っています。

ロジカルリーディングについてより知りたい方はこちらの本がオススメです。GMARCHでは合格点取れるけど、早慶だと難しい。そんな受験生が壁を突破する助けになる本です。詳しく知りたい方はこちらの本をオススメです。 

 

背景知識と論理的読解の両方が大事

話を戻しますが、①背景知識を増やす、②論理的に読む、の2つができるようになる事こそ現代文的なアプローチだと思っています。

背景知識だけ増やしてもダメですし、論理的に読めても知識がなさすぎると時間がかかります。

自転車の両輪のように、この2点をバランスよく伸ばす必要があります。そして、この参考書はその一助になるはずです。

 

この参考書の後は何をすべきか

過去問です!

このレベルがスムーズに読めればほとんどの入試問題に対応できます。後は大学や学部の出題形式に合わせて、英作文や穴埋めなど運用能力を調整してください。

この参考書で受験最高峰レベルの読解法を身につけて、見事合格を勝ち取って下さい!

登木健司 難関大英語長文講義の実況中継【早慶上智・関関同立・MARCHレベル】 (実況中継シリーズ)

登木健司 難関大英語長文講義の実況中継【早慶上智・関関同立・MARCHレベル】 (実況中継シリーズ)

 

*追記

最初にレビューを書いてから約1年、国公立版も発売されました。旧帝大や一橋など難関国公立を目指す方はこちらをどうぞ!

登木健司 難関大英語長文講義の実況中継(2)国公立大学編 (実況中継シリーズ)

登木健司 難関大英語長文講義の実況中継(2)国公立大学編 (実況中継シリーズ)

 

 

中学卒業程度試験というものがあるらしい

高卒認定」という単語を聞いたことがある妥当か、ある世代以上にとっては「大検」と言えば伝わるかもしれない。要は高校を卒業しなかった者に大学受験のチャンスを与えるための試験である。

私もこの「高卒認定」は存在自体は知っていた。しかし、世の中は広い(?)。実は「中卒認定」なるものもあるらしいのだ。これは存在も知らなかった。今回はこの「中卒認定」(以下「中認」)について調べて分かったことを書いていきたい。

 

 

概要

出願期間:8月下旬~9月上旬

試験日:10月下旬(1日で5教科実施)

合格発表:12月上旬

受験資格:ざっくり言うと中学を卒業してない15歳以上の人

受験料:無料

 

試験日の概要

10月下旬に、1日で5科目受験する。

拘束時間は大体10時~15時40分。

一つの科目の受験時間は40分

 

合格特典

合格した人は高校の入学資格が与えられる!

ここで注意なのは、中卒の学歴が手に入るわけではない事だ。あくまで手に入るのは高校入学の資格であり、中卒の資格ではない。これは高認試験で手に入るのが大学入学の資格であり、高卒の資格ではないのと同じだ。

 

受験者数と合格率から見える特徴

年      受験者 合格者 合格率

平成1    90    77    85.6%
平成2    76    65    85.5%
平成3    61    48    78.7%
平成4    52    49    94.2%
平成5    45    38    84.4%
平成6    26    24    92.3%
平成7    24    23    95.8%
平成8    25    24    96.0%
平成9    33    28    84.8%
平成10  27    18    66.7%
平成11  57    40    70.2%
平成12  59    49    83.1%
平成13  39    29    74.4%
平成14  48    39    81.3%
平成15  71    62    87.3%

 

全国で100人も受験していないのが先ず驚き。それだけ日本の義務教育が盤石な事に敬意を示しつつ、このわずかな人数の為に、果たして文部科学省がどれだけ力を入れているのかは謎。また、需要は100人に満たないため、予備校などの市場が存在していない!

受験者数は年によって激変しているが、合格率は80~95%で概ね推移しているのも特徴。つまり、受験者の殆どは合格していることになる。

ちなみに比較対象として言及しておくと、高卒認定は毎年30,000人前後が受験している!

 

難易度

あんまり難しくない。教科書の内容を理解しておけば十分。 

参考までに過去問のリンク→中学校卒業程度認定試験問題:文部科学省

 

科目免除条件

英語:英検3級以上

国語:日本語能力検定2級以上(N2以上)

英語と国語は外部試験を使用して免除することも可能。英語は英検3級以上、国語は日本語検定旧2級以上で免除になる。

つまり、この2つ試験の合格を目指しても十分対策になり得る。

 

教科別対策法

正直本番の試験を受験したわけじゃないし、このレベルを専門に教えたこともない。なので申し訳ないが、その点は留意してもらいたい。それでも教育者の端くれとしてい、一応各教科のオススメの参考書を紹介しておく。ポイントは「出来る限りやさしく」だ。

こういう言い方は良いのか分からないが、過去問を見る限りレベルは高くない、でも、無勉強で合格できるほど易しくもない。

一言でまとめると「教科書レベルが理解できていれば合格する」感じだ。しかし、教科書は読んでいてあまり面白くない(面白いと感じる人は多分この試験をそもそも必要としてない)。

なので、出来る限り勉強の敷居を低くするような教材を選んだ。結果、全教科同じシリーズになってしまった。

この試験を必要としているあなたに向けて言うよ、「好きな科目からやった方がいい」。学校それ自体か勉強があまり面白いと思わなかったあなたの事だ。無理に苦手科目で嫌な思いをする必要はない。

今、一番興味のある科目からスタートして、純粋に知識を手に入れる事の喜びを感じてもらえると嬉しい

 

ここから各教科別オススメを書いていくが、全ての教科で流れは同じだ。

・インプット(理解):やさしくまるごとシリーズ

インプット用の教材で概念や言葉を理解する。人によってはここまでオッケー。得意科目なら次のアウトプットを飛ばして過去問に進んでしまおう。

   ↓

アウトプット(知識定着):ひとつひとつ分かりやすくシリーズ

人間は忘れる生き物だから、一度覚えたものを忘れない様に復習しなきゃいけない。そこでアウトプット用の教材で知識の定着を計る。

   ↓

過去問:本番のレベルや出る問題を確認する

ここまでやれば過去問をスイスイ解けるようになっているはずだ。実際に過去問を説いてみて、どんな形式で問題が出題されるのか確認する。そして、間違えたり忘れていた箇所は、インプット用、アウトプット用の教材で再度復習しておく。それを繰り返していけば合格間違い無しだ。

 

英語

英語と数学を苦手とする人は多いが、この2つには実は共通する特徴がある。両者とも「アウトプットが必須」なのだ。この2教科は知識の獲得だけではなく、知識の運用まで問われる。

理科や社会は、用語さえ覚えてしまえばなんとかなる。しかし、英語と数学は用語を覚えるだけじゃ点数にならないのだ。だから何度も問題に取り組む必要があるのだ。頑張ってほしい。

 

インプット用(理解用)

やさしくまるごと中学英語

やさしくまるごと中学英語

 

 ↑これを読みながら、↓こっちに取り組む 

 

アウトプット用(知識定着用)

中学 英語を もう一度ひとつひとつわかりやすく。

中学 英語を もう一度ひとつひとつわかりやすく。

 

 

国語

 インプット用(理解用)

やさしくまるごと中学国語

やさしくまるごと中学国語

 

 ↑これを読みながら、↓こっちに取り組む 

 

  アウトプット用(知識定着用)

中学国語をひとつひとつわかりやすく。 (中学ひとつひとつわかりやすく)

中学国語をひとつひとつわかりやすく。 (中学ひとつひとつわかりやすく)

 

 

数学

英語のところで触れたが、数学は知識+運用が求められる教科なので、アウトプットも頑張って欲しい。

 

 インプット用(理解用)

やさしくまるごと中学数学

やさしくまるごと中学数学

 

 ↑これを読みながら、↓こっちに取り組む 

 

  アウトプット用(知識定着用)

 

社会

中学の社会は①歴史、②公民、③地理の3つに分かれる。インプット用は1冊でいいけど、アウトプット用は3冊に分かれてしまう。使う冊数を増やしたくなければ、アウトプット用は過去問にしても良いと思う。

 

インプット用(理解用)

やさしくまるごと中学社会

やさしくまるごと中学社会

 

 ↑これを読みながら、↓こっちに取り組む 

 

  アウトプット用(知識定着用)3冊

中学 歴史を ひとつひとつわかりやすく。

中学 歴史を ひとつひとつわかりやすく。

 
中学公民をひとつひとつわかりやすく。 (中学ひとつひとつわかりやすく)

中学公民をひとつひとつわかりやすく。 (中学ひとつひとつわかりやすく)

 
中学地理をひとつひとつわかりやすく。改訂版 (中学ひとつひとつわかりやすく)

中学地理をひとつひとつわかりやすく。改訂版 (中学ひとつひとつわかりやすく)

 

 

理科

インプット用(理解用)

やさしくまるごと中学理科

やさしくまるごと中学理科

 

 ↑これを読みながら、↓こっちに取り組む

 

 アウトプット用(知識定着用)

中3理科をひとつひとつわかりやすく。 (中学ひとつひとつわかりやすく)

中3理科をひとつひとつわかりやすく。 (中学ひとつひとつわかりやすく)

 

 

以上!

今回の中卒認定について調べていたら↓こんなマンガがある事を知った。日本の漫画業界は本当に裾野が広い…!

中卒労働者から始める高校生活 1

中卒労働者から始める高校生活 1

 

 

2018年2月時評 バーフバリと水戸黄門と範馬刃牙

人の興味には鮮度がある。最近それをより痛感するようになった。ある一定の対象に興味を抱き、さらには行動まで起こす。日常的にやってはいるが、当たり前の様で結構大変、中々のやる気と体力を使う所作である。

それでも平然とやってのけるのは、その対象に対して「興味」があるからだ。英語で言うと I'm interesded in 何某だ。実に面白い。「興味・関心」というのは日常語でありながら、時には人生を変える程のエネルギーを産む。人類最大の的は「メンドクサイ」であるが。メンドクサイの最大の的は「キョウミアリ」だと思う。

サイとアリならサイの圧勝だ。しかり、それは単体での話。アリも束になればサイに勝てる(かもしれない)。乾坤一擲、雨垂れ石を穿つ、窮鼠チューチュー何とやらだ。

ではキョウミアリの天敵は何か?

「飽き」だ。キョウミアリはアキに弱い。…面倒臭くなってきたから普通に話そう。

人間は飽きる。それは仕方がない。モンハンにもいつか飽きる。ポケモンGOはもはや話題にならない。恋心は3年。未亡人は新たな面影に胸をふくらませる。

 エントロピーの増大が避けられぬのと同様に、人が飽きる事も避けられない。もし避けたければ、そこには意志と工夫が必要である。モンハンは縛ってプレイ。ポケモンGOはアップデート。時には恋人に花束とサプライズを。しかし、それにも限界はある。未亡人は使徒でも節婦でもない。

然らば、野生の興味を放ってはいけない。湧き出る好奇心を無視してはいけない。それらはカゲロウの如き儚き命なのである。奇跡的に生まれたのであれば大切にすべきだ。放っておけば直ぐに消えてしまう。しかし、キチンと向き合えば退屈な人生から抜け出せるキッカケになるかもしれない。それはまるで、地獄から抜け出さんとするカンダタの眼前に現れた蜘蛛の糸だ。

気にも留めなければ記憶にも残らない。記憶に残らなければ存在すらしない。釈迦の救いに気付かなければ、どうやって人生を生きていけるのか、希望を抱く事ができるのか。残るは世を儚み憂うだけである。世界を呪って妖怪や魔女になる、それほど悲しいことはない。

もう一度言おう、自分の興味や好奇心ともっと真摯に向き合おう。少しでもいい、街中、移動中、友達とのおしゃべり、何かしら引っかかった単語があるはずだ。あなたのアンテナに少しでも引っかかって来たもの、それこそが、ここではないどこかへ行ける唯一の道である。先の事は分からない。いい事ばかりではないかもしれない。苦しいこともあるだろう、悲しい事もあるだろう、だけど僕らは挫けない泣くのは嫌だ笑っちゃおう、進め~♪ひょっこりひょうたん島~♪ひょっこりひょうたん島~♪ひょっこりひょうたんじぃぃぃぃぃぃぃっぃぃぃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ~~まぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ♪

バーフバリを観ながら、そんなことを考えていた如月でした。

(1200字)

 

 

 

 

2018年1月時評

今年の新しい取り組みとして、毎月1つ時事的な内容を1,200字程度で書いていきたいと思っている。そんなことを考えていたら2月になっていた。

何故今までやらなかったのか。そもそも時事的なものがあまり好きでは無い。時事ネタにはどこか刹那的な印象を受ける。例えばテレビのワイドショー。テレビのワイドショーで扱うのは「今一番ホットな話題」だ。社会的意義とか人類の未来とかは一旦置いといて、「今みんなが一番みたい知りたい事」を提供するのが命題である。

それに何の意味があるのだろうか。世間話や雑談には使えるかもしれない。それだけだ。時が経てば無力になっていく話題だ。実に刹那的。知識の集積や蓄積が感じられない。これが時事ネタが好きではない理由だ。

さて、それだけ時事ネタを否定しておきながら時事ネタを書こうとしているのか。大した理由ではない。友人の物真似である。友人が新聞で月1連載を持っているというので真似しただけだ。字数も彼が1,200字と言うので、同じにしただけだ。何とも浅はか、主体性の欠如である。

1,200字はそこまで長くない。世の男性が1日に話す単語数は約7,000字と言われている。そう考えると1日に話す量のわずか1/6程度だ。大した量ではない。すでにこの時点で530字に達している。

キッカケを話せたので、ボチボチ本題にいこう。1月と言うのは年の始まりだ。そんな始まりに自分に言い聞かせている事がある。「今年ももう終わりだな」と先に思ってしまうのだ。気が狂ったわけではない。

例年の年末を思い出してみてほしい。判を押したかのように「もう年の瀬、1年は早い」的な言説を宣っていなだろうか。その恒例行事を何年続ければいいのか?そこに少しでも否定的ニュアンスがあれば、その連鎖は切って然るべきはないか。そう思うのだ。

年末になって漸く時の速さを再認し焦るのだ。バカか!なぜ経験から学ばない!

…ある時そう思った。そういうわけで「今年ももう終わり」と年始にに年の瀬宣言を始めたのだ。さて、その効果はどうであったか。

迷ったらやる事が多くなった。締め切り効果か「せっかくだからやる」そう思える様になった。「せっかくだから」ば旅先で母親が言う台詞No.1である(自分調べ)。これは魔法の言葉だ。少し面倒な事は、この言葉の前に無力だ。思わぬライフハックであった。ぜひ皆様にもお勧めしたい。

さて、そんなせっかく精神で人生で初めて鳥取へ行った。これは件の友人の出身地で、彼が案内してくれると言うので行ったわけである。初めての鳥取はどうだったか。稀に見る寒波が押し寄せて、行きの便が欠航になった。キャンセル待ちを乗り越えやっとの思いで辿り着くと、雪積で身動きが取れなかった。鳥取砂丘へ向かったが、砂など見えず雪原があっただけだ。もしかしたらまた4月に行くかもしれない。

今月はこれで締めよう。今年も残り少ないよ!やり残したことは今のうちに!!

(1,205字)

 

没頭キャスト#20【うつヌケ】に関する一つの考察

うつ病と呼ばれる病がある。本屋に行けば専用のコーナーがあったり、今年2017年の始めには「うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち」という本が話題になったりと、すっかり現代病の代表の一つになった印象だ。

私自身の周りにも、過去にそうだった人や、現在進行形でそうなっている人がいる。原因やメカニズムは専門の人達が粗方解説してくれている。でも大事なのは、それらはわかって上で、如何にうつ病(あるいはそうなってしまった知人)と付き合うか?ということだと思う。

そんな訳で今回は、ケーススタディの1つとして経験者に、発症の過程と、その後回復するまでの話を伺いました。まさが自分が?関係ないと思う人にこそ、是非聞いて頂きたと思います。

 



編集後記

私自身うつ病になったことはありませんが、身近な人が数名発症してから、無関係ではないと感じる様になりました。外傷ならば周りの人もどうすればいいか分かるかもしれないが、心の病はどう接していいかわからない、そこがこの病の難しさな気がします。

肩の力を抜いてもう少し気楽に、真面目もほどほどに、今日に感謝しつつ生きて生きたいと思います。

 

今回のオススメ映画

デリケートなテーマを扱った作品なので、見る人によって評価が別れると思う。それでも、このテーマで映画を作っただけで価値のある作品だと思います。 

没頭キャスト#19 人は如何に老いるべきか

人は老いる。避けたい事実ではあるが、争うことはできない。外科整形をしようがボツリヌス菌を注入しようが、ロイヤルゼリーコエンザイムQ10を摂取しようが、人は老いる。これは肉体だけの話ではない。人は精神的にも老いる。

無邪気な子供のように、目にする全てに興味を持つことはできない、同じ頃を興味のままに繰り返すこともできない。さらに子供のように社会的に必要ともされない。

子供は未来である。子供が成長して大人になる。しかし、老いた人はずっと老いた人だ。社会保障を圧迫する、医療費を費やす、下の世代に負担を強いる、そんなイメージもつきまとう。

老いた人間は価値がないのか?老い先短い命に意味はないのか?そんな事をテーマに話し合った会です。

…なんて書くと全く面白くないけど(笑)忘れちゃいけないのは、いずれ僕らも老いる、だから老いについて考えることは「今をどう生きるか」について考えることに繋がる。

まずは気軽に聞いてみて、普段考えない考えのきっかけにしてみて下さい( ˘ω˘ )


没頭キャスト#19 現代における高齢者の価値とは

 

■編集後記

老いについての話をすると、価値観や人生観の話になりがちなので、もう少しテーマを絞ったり、前提を設定する必要があると思いました。今回の話では、少なくとも周りから必要とされる人になるにはどうするか?という問いのヒントは出たかなと思います。

繰り返しになりますが、人は老います、それは避けられません。そうであれば、その事実に目を背けるのではなく、きちんと向き合い、より良く老いる事を考えるのもいいと思います。是非御一考下さい。

 

・今回のオススメ図書

知的な老い方 (だいわ文庫 E 289-4)

知的な老い方 (だいわ文庫 E 289-4)

 

難関大学の生協で必ず売ってる「思考の整理学」の著者、外山氏が書いた本。とはいえ難しい話はない。若造が老いについて語るより、齢90オーバーな人の話の方が説得力は間違いなくあるよね…(−_−;)

これに限らず最近は老いについての著書が充実している(さすが超高齢社会日本)ので、気に入った本を探してみるのも面白いかと。

 

 ・今回のオススメの映画 

スターウォーズのオビ・ワンことユアン・マクレガーが、病床の父を思い、彼のお伽話のような若き日の思い出を検証する話。描かれる映像の美しさもさる事ながら、人生についても考えられる一本です。

グラン・トリノ (字幕版)
 

名優イーストウッドが監督で主演の作品。古き良き(っていうか古すぎ)アメリカの体現者である主人公と、モン族の少年の交流の話。老境に入り、すっかり余生モードになった主人公は、日常や自分の人生について何を考えるのか?そして、次の世代に何を残すのか?

イースドウッドを知ってても知らなくても必見の1作。

志村貴子先生の原画展

というわけで、本日まで池袋の西武で原画展をやっていたので観に行ってきました。寛大なことに写真撮影自由だったので、極々一部ですが撮った写真を載せておきます。予想以上の数で大満足な展示でした。

誰?という方はこちら→志村貴子 - Wikipedia

 

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明日からしばらくは、魔法陣グルグルの原画展やるみたいです!

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最後に個人的オススメ作品。 

青い花(1)

青い花(1)

 
放浪息子1 (ビームコミックス)

放浪息子1 (ビームコミックス)

 

 おしまい

没頭キャスト#18 NPO法人運営と地方創生のリアル

NPOという言葉は聞いた事があると思います。その意味が”非営利組織”ということも、もしかしたら知っているかもしれません。しかし、その実態を知っているかと聞かれると、正直微妙な人が大半だと思います。

そんなわけで、今回は鳥取県で活動している非営利組織、”学生人材バンク”の代表である中川玄洋さんにお話を伺いました!

話の冒頭で「非営利組織って善人面してるけど、本当にそうなの??」という疑問をぶつけています。是非続きを聞いてみて下さい。

 


没頭キャスト#18 NPO法人運営と地方創生のリアル

 

◾️メインテーマ

#1:30    NPO法人のイメージ
#3:50    鳥取大学在学中に団体を設立したキッカケ
#5:35    なぜNPOという法人格にしたのか?
#6:50    法人化にあたってのあれこれ
#8:15    売り上げや資金繰りについて
#9:40    普段どんな仕事や活動をしているのか
#11:50  活動して見てきた変化
#13:40  県庁やめてNPOで働き始めたキッカケと「若者会議」
#15:30  若者を欲しがらない集落があるらしい
#16:25 「地元ヤバい」の源泉
#19:55  地方は本当に「地域活性化」をしたいと思っているのか?
#23:20  代表の見た鳥取この15年
#25:05  NPOの事業をどうやって増やしてきたか
#28:25  把握しておかなきゃいけないおじさん3パターン
#29:40 「都会か地方か論争」の結論
#31:10  楢山節考後期高齢者という拷問上映会
#34:25  NPOにしたメリット・デメリット
#37:25  NPOの価値観
#38:35  都市部の人から見た地方移住
#42:55  地域おこし協力隊のリアルなとこ

 

編集後記

地方創生という言葉や、メディア上で言われている事は知っていても、中々その実態をつかむのは難しいと思います。そんな中、少し俯瞰的な立場から地方と呼ばれる地域で活動している方の「生」の声は、これ以上ない説得力を持っていました。

大学生の時、地方創生について考えてみた時に「彼らは本気で地元を盛り上げたいと思っているのだろうか?」という疑問を持った。地元を盛り上げるには膨大なエネルギーが必要となる。果たして、そんなエネルギーを持っている人が地元に留まるものだろうか?地方創生なんて騒いでいるのは都会だけなんじゃないか?方から東京に上京した一個人として、地方の現状に肯定的な思いを抱くことはなかなか難しかった。

東京を含め、都市は良いことばかりじゃない。それでも順調に人口は増えている。多くの人が都市を目指し、結果、人口過密で苦しい思いをする。都会の生活に疲れた人は、一度地方も考慮していいのではないか?但し、決してそれはユートピアなんかじゃなくて、少なくとも都会よりは自己承認のハードルが低い場所、それぐらいの覚悟は必要かもしれない。

 

学生人材バンクはこちら↓

 

 

今回のオススメ本

地方創生大全

地方創生大全

 

 

 

没頭キャスト#17 テクノロジーの未来とUI(ユーザーインターフェース)

UI/UXという言葉を聞いたことがあるでしょうか?カタカナで書くとそれぞれユーザーインターフェース、ユーザーエクスペリエンスと呼びます。ユーザーが使用者という意味なので「使用者接触点」、UXは「使用者体験」という事になります。

っと言い換えもよく分からないと思うので、こちらを聞いて分かったつもりになってみて下さい!

 


没頭キャスト #17 テクノロジーの未来とUI(ユーザーインターフェース)

 

メインテーマ

#1:00 マッチングアプリ開発の話
#3:00 ネットと非モテの悲哀
#6:00 忌野清志郎の「キミかわいいね」
#9:45 定額デザインサービスのその後
#13:25 インターフェースとは何か?
#18:10 テクノロジーの現在と今後
#21:20 歩きスマホは無くなる?!
#23:30 自分にベストなアプリをどうやって選べばいいのか?
#28:35 キュレーションサイトについて
#29:35 勉強法を勉強した時に気がついた事
#32:35 「ライ麦畑でつかまえて」の世界と人間の直感

 

編集後記

 今回はエンジニアさんに最新の業界(?)事情についてお伺いしました。これを書いている時点で、googleが同時通訳のイヤホンを発表している(精度は置いといて)。

米グーグル、翻訳するイヤホン 新型携帯と同時利用で (写真=ロイター) :日本経済新聞

こんな風に、世界はテクノロジーの発展とともに、どんどん便利になっていく。 その流れに決して悲観することなく、前向きに考えた上でどんな未来になるのか考えてみよう!というこの今回の趣旨だ。

テクノロジーがどんなに発展しても、人間が共感する生き物である以上、人への需要はなくならないとは思う。それでも、現在では予想出来ない部分がテクノロジーに取って代わり、同様に予想外の部分で人が必要となってくると、今は思っています。

 

 

ちなみに、途中で話している私の書いた合格体験記が書かれているのは↓こちらです。 

私の早慶大合格作戦〈PART2(2008年版)〉一発逆転篇 (Yell books)

私の早慶大合格作戦〈PART2(2008年版)〉一発逆転篇 (Yell books)

 

 

神デザインソフト「sketch」の使い方解説動画作ったよ~

「sketch(スケッチ)」というデザインソフトを御存知でしょうか?

何となく噂には聞いていましたが、どうやらかなり良いデザインソフトらしいという事で、その解説動画を作りました!!

一応ですが、誰かから頼まれたり、お金を貰って作成したものではございませんので、クオリティーに関しては推して知るべしって感じでお願いします('ω')ノ

デザインソフトってどんなものなの?って思う人も試しに見てみて下さい!

 

その① どんなソフトで何が凄いの??

sketchの特徴についてザックリまとめた動画です。AppleFacebookGoogleDropBoxTwitterIBMPayPal等々、名だたる企業が導入しているソフトです。日本を席巻する日も近いかと思いました(小並感)。

 

 

その② 体験版をダウンロードしてみよう!

いきなり有料版に手を出すのはな~という人用に、30日の体験版が用意されています。なので、これをダウンロードして、この次の動画にそなえて下さい!!



 

 

その③ 基本的な使い方解説

こちらが実質的な本編です。体験版を使いながら基本的な操作方法を学んでいきます。この次からの応用編についていくためにも、先ずはここを抑えておくと良いかと思います!1回見たら、次は倍速でもう一回見てみるとスキルが定着しますよ!



 

 

その④ おすすめのプラグインとシンボル化

スケッチの特徴の一つであるプラグインについて解説した回です。この回は主にオススメのプラグインの紹介に留まっていますが、この次の回で詳細を説明しています。別に詳細がいらないって人は、ここでオススメしているプラグインをダウンロードして実装して下さい!(有料のモノは含まれてません!)

 

 

 

その⑤ プラグイン解説とアイコン作成

上記④でオススメのプラグインを紹介しましたが、よく考えたら用途や機能をキチンと説明していなかったので、その解説からスタートです。

そこからいよいよ応用編のアプリデザインを始めます。ここからが本番です!基本操作を習得して(しなくてもなんとかなるけど)、是非一緒にアプリのデザインに挑戦してみましょう!!



 

 

その⑥ アイコンをサクサク作ろう!

第⑤回でアイコンを1つ作成したので、今回はその他のアイコンを作成して行きます。人間1回だけでスキルは身につかないので、この第⑥回で復習しつつ、効率的にアイコンが作成できるように練習してみて下さい!



 

その⑦ メニューバー作成

今回がスケッチ最大の見せ場です!気になる人は⇩の18:00頃〜を再生してみて下さい。いや、ぶっちゃけここまで面倒臭くて飛ばしちゃったあなたも是非見てみて下さい!



 

その⑧ 完結

ついに最終回の第8回です。割と地味な作業が続いたかもしれませんが、これにて完結です。今までダウンロードして使っていなかったプラグインcraftの真価が今回発揮されます。是非ご活用下さい。

 

最後に

sketchという便利ソフトはあるけれど、勉強できる環境が少ない。あっても書面か有料動画、そんな想いで作り始めた解説動画でしたが、いかがだったでしょうか。

拙い部分もあると思いますが、初学として使える部分も多いかと思います。興味がある、これから使い始めたいという友人がいれば紹介していただけると嬉しいです(・ω・)

また基本が身につくまでは1回ではなく、倍速で復習するといいかと思います。ご視聴ありがとうございました!

メイドインアビスの何が凄いのか考えてみよう。

現在絶賛放映中のメイドインアビス、漫画喫茶で最新刊まで読んでもの凄〜く面白く、今年読んだ漫画No.1になりそうな勢いなので、その面白さの源泉を考えてみたいと思う。

読んでいない人の為に簡単に説明すると、上記の少年少女が「アビス」と呼ばれる大穴を下降しながら冒険する話だ。トルネコよろしく下の方に行けば行くほど強いモンスターがいて難易度が上がっていく。そして、そのアビスには「呪い」と呼ばれるものがあり、上昇すると体調が悪くなったり死んじゃったりする。つまり、下がっても地獄、上がっても地獄、緩やかな自殺の物語なのだ。

 

 

世界を創る

さて、物語とは「非日常を描く」ものであるが、その非日常がどれだけぶっ飛んでいるか、これはその作品を評価する際の1つ指標となる。ただ、単にぶっ飛んでいればいいと言う訳ではなく、それは読者や視聴者が理解できるギリギリ範囲でなければならない。そうでなければ単なる「トンデモ本」とされ、見向きもされない。

つまり「受け手の腑に落ちる、この世ならざる世界を創れるか?」ということになる。ドラクエでもFFでもポケモンでもワンピースでも何でもいい。モノづくりも志す者は世界を創らねばならぬのだ。そして結論になるであろうが、メイドインアビスはこれを非常に高いレベルで達成している。

 

如何に狂った世界を創るか

世の中には良い意味で「頭おかしい」と思える作品がある、例えば永井豪先生の「デビルマン」であり、最近で虚淵玄氏脚本の「魔法少女まどか☆マギカ」もそうだ。ただ、どちらも素晴らしい作品であることは名言した上で、これらは全く新しい世界感かというと、そういう訳でもない。

例えば「デビルマン」は文字通り悪魔軍と神軍の戦いであり、ミルトンの失楽園をベースにしていると言われいる。また「魔法少女まどか☆マギカ」の世界感は輪廻と、菩薩としてのまどかなど、強い仏教感を伺えるし。インキュベーターのキューベーの口からも「エントロピー」や「相転移」といった物理の専門用語が出てくる。

これらの頭のおかしい作品は、そういった意味で常識的なのだ。

 

如何に常識的に常軌を逸するか

この話を始めるに当たって、具体例として登場させたいのが宮崎駿氏である。こと日本で生活し、彼を知らぬ方が難しいので紹介は割愛するが、彼こそ「この世界を創った奴がヤバい!」殿堂入りの猛者である。彼は「風の谷のナウシカ」を創造した。

 この漫画を読んだことがあれば出来ると思うが、一言で言うと頭おかしい。かつ、それまで想像もしない世界を見せてくれた。何をどうやったらこんな世界の創造できるのか?そう思いながら終始圧倒されて読破した。長くもないが短くもない人生の中で、それまで全く見たことのない世界を見たことを素直に驚き、そして、これこそがオリジナリィなのだと思った。

火の7日間、巨神兵、トルメキア、ペジテ、土鬼、腐海王蟲、いづれも全くの虚構でありながら、ありありと実在感を持って作品に登場する。荒唐無稽な世界と人と生き物でありながら、物語は一切破綻せず、彼らは実在した。

ではこの実在感はとこからくるのか?

 

如何に細部にこだわるか

ズバリ細部である。その虚構が世界に本当に存在したらどうか?重さは、大きさは、どう使われる、どう呼ばれる、なぜそう呼ばれる?etc.世界を創っている本人が本当に存在すると思っていれば、作品内では本当に存在することができるし、それを読者が信じればそれは実在するのだ(なぜなら人間は認識したものを現実だと思うから)。

その細部が密であればあるほど、世界は実在を帯びる。

 

もしかしたら凄いところまでいっていまうかも

さて、メイドインアビスの話に戻ろう。正直5巻までは「細部にこだわった凄い漫画」だった(日本語しておかしいが)、それが6巻でアビスのさらに深部に進むことのよって、1つレベルが上がったように思う。想像の上の創造とでも言うべきか、

アビスという世界の完成度がヤバい

 

結論を繰り返そう。面白い作品の1つの指標に、世界観の独自性というものがある。そして、メイドインアビスは非常に完成度の高い世界観を創造している。

これはもしかしたら、もしかしたら凄いところまで連れて行ってくれる作品になるかもしれない。せっかく同時代に生きているので、リアルタイムで楽しむのがオススメです!

 

現状に合わない米国の婚姻制度 一橋大学2017英語

パラリーか要約か微妙な感じだか。要は書いた人が言いたいことと、その論理構成を分かりやすくしようという意図である。

分かりやすさを優先するために、タイトルも要約も趣旨を変えない程度勝手に書いてます。(過去問持ってると思うので、真面目で正確なのが知りたければそっちを参照してね!)じゃあ利点は何かと言えば。

・平易な言葉を使ってる

・要約だけで文章の流れが分かるようになってる

・トピックの背景知識や関連知識が身に着く

こんな感じです。内容理解の補助になれば幸いでっす。

 

 

2017年① 手の重要性と2面性

①ネット、スマホ、PCは自分への認識や他者との関りに大きな影響を与えてる。

②変化は色々あるけれど、今回は「手の使い方」の変化について考えるよ。

③新技術によって手の使い方は変わってきたから、手の構造はいずれ変化するね。

④使われ方は変わるけど、人間が手を常に動かすことは昔から変わらないよ。

⑤そんなわけで、手を使えないと逆に不安になるよね。

⑥そう!手は凄い!色んな事に使う便利な道具!

⑦でも時として言う事聞いてくれない、勝手に動いちゃう(´;ω;`)

⑧メールやFBを手が勝手にチェックしてない?アナ雪のエルザも、自分ではやりたくない事を手が勝手にやっちゃてたよね。


ポイント

手の重要性と2面性について書かれた文章である。特に突っ込むこともないが、なぜにそんなに手をフィーチャー(feature)する必要があるのか少し説明してみようと思う。
身近で毎日触れている(?)手だが、以外と知らないこともある。

 

ホムンクルスの手はデカい?

鋼の錬金術師ですっかりお馴染みなった?ホムンクルスだが、こちらがアメリカの外科医ペンフィールド氏が提唱した「大脳のホムンクルス」である。

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image by Pinterest


明らかに手がデカい、ってかキモイ。要は「大脳皮質に身体のどの神経がある」の図だと思ってほしい。ここからも、いかに手が大事かわかる。

「手を動かすとボケない」と言われるが、そう考えるとあながちない話ではない。…ボケ防止にピアノでもやろうかな…。

 

ホムンクルス(1) (ビッグコミックス)
 

 


現代の事情に合わない米国の社会保障制度

①アメリカで同性婚を合法化したが、これは歴史的な事である。

②↑この出来事は、同性婚では認められない経済制度を可視化した点で、より重要である。

③結婚へ付く給付金は、夫婦の一方を労働へ、もう一方を家事に仕向ける制度である。

④アメリカの社会制度はアメとムチを使って、稼ぎ手と専業主婦の夫婦を推奨している。アメは、結婚していると独身の1.5倍の退職給付金を貰える。

⑤ムチは、夫婦が共働きの場合①片働き同様の扶養手当にするか、②各々の個人給付金を受け取る、の2択なことである。

社会保障が出来たのでは1930年代のことである。今の事情に全然合ってないんだよ!

 

ポイント

恐らく一番読みにくいのがパラ⑤であろう。なので、ここで少し補足をしたいと思う。結婚して得られる権利に「配偶者控除」がある。しかし、この制度は片方のみ働いている場合のみ恩恵が最大になるようになっており、そこが指摘ポイントとなっている。

 

★つまり夫婦が共働きの場合、①片働き同様の扶養手当にするor②各々の個人給付金を受け取る、の2つの選択肢が発生するのだが、

 ①の場合、一方が収めた社会保障金を無にすることになる
 ②の場合、せっかく夫婦になって得られた扶養手当の権利を放棄することになる

と、どちらを選択しても損した事になるので、共働き夫婦は損をし、片方が家庭にいる婚姻関係のみに報いる制度だと言っているのである。

 

今回のオススメは、この様に結婚を一つの金融商品として考えたこちらの本。結婚や恋愛というと、とかく感情の方が注目されがちだが、冷静に制度面を考えた名著である。

損する結婚 儲かる離婚(新潮新書)

損する結婚 儲かる離婚(新潮新書)

 

 

 

 

人と幸福の因果な関係 一橋大学2012年英語

 パラリーか要約か微妙な感じだか。要は書いた人が言いたいことと、その論理構成を分かりやすくしようという意図である。

分かりやすさを優先するために、タイトルも要約も趣旨を変えない程度勝手に書いてます。(過去問持ってると思うので、真面目で正確なのが知りたければそっちを参照してね!)じゃあ利点は何かと言えば。

・平易な言葉を使ってる

・要約だけで文章の流れが分かるようになってる

・トピックの背景知識や関連知識が身に着く

こんな感じです。内容理解の補助になれば幸いでっす。

 

 

2012年① ハリケーンSNSが引き起こした嵐

 

段落要約

①21世紀の道具は、人々が出来事や感情の周りに、鳥のように群がるのを可能にする。

②著者も↑同じことを、NYにアイリーン(台風の名前)が来た時思った。

③アイリーンがNYに来た時、著者は不安感に襲われたが。それは過去に内戦や軍事基地で孤立した時、ラジオや電話からニュースを得た感情と同じだった。

SNS時代は不安上昇がヤバい(悪い意味で)、過去超えとる。

⑤確かに、SNSの発達はポジティブな側面があり、実益はある。

⑥しかし、マイナス側面もある。サイバースペースでの恐怖や不安をの共有は反響し感情の風洞を作りだす。そして、それは統制不可な代物である。

⑦感情の風洞について、もっと議論しなくちゃ。だってこれは多くの場所で人間とともにあるものだから。

 

ポイント

Twitterという割と身近な題材から始まるが、なかなか筆者の言いたいことがズバリ出てこない英文であった。結局言いたい事は④⑥⑦パラ辺りで「SNS危ないからもっと考えなくちゃ」的な話である。

④→⑤パラの構成は実に教科書的な「確かに、しかし」構文である。にも関わらず、この文章を読みにくくしているのは⑥パラで突如現れた「感情の風洞」というワードだろう。

 

風洞ってなんやねん!

後半「風洞」という耳慣れない言葉が出てくるが、風洞とは一体なんだろうか?少し考えてみよう。先ず広辞苑の定義ではこうなる

 

風洞

人工的に空気などの流れを作るためのトンネル型の装置

                                          -広辞苑第六版-

 

これでも良く分からない。 言葉で理解できない時は視覚情報だ、動画ではどうだろうか?


う~ん、見ていて楽しいけどよく分からない!!

 恐らく筆者の言いたかったポイントは、人工的、流れ、装置だろう。そうだとすれば、「感情の風洞」とは「人工的なモノで作られた感情の流れ」ぐらいの意味だと考えられる。

 

ちなみにパラ①で出てくるビズ=ストーン氏の御尊顔と著書はこちら。

ツイッターで学んだいちばん大切なこと 共同創業者の「つぶやき」

 

 

 2012年② 何故社会不安が増大しているのか?

 

段落要約

①先進国で社会不安が激増しているが、その原因は地域共同体の崩壊である。

②50年前は地元でアイデンティティを持っていたが、地元から離れた今はそんなの無いプー。

③人間は無知で魅力が無い人間だと思われるのを恐れるが、見知らぬ人々に囲まれて暮らす現代は、常に周りの人々からの評価に晒され不安になる。(地元だと既に評価済みだからその不安がない)

④人と人の格差が広がると、社会的地位の重要性が増す。そうすると、社会評価に対する不安が高まるよ~ん。

 

ポイント

社会不安と社会評価について書かれた文章である。「社会評価が重視されると、不安が増すよ」って感じの話である。そして地域コミュニティの崩壊こそがその原因であると筆者は説いている。以上をまとめるとこんな感じだ。

しかし、ハッキリ言って筆者の意見には乗れない。なんせ私自身が地域コミュニティーから出て、幸福になった人間だからだ。

 

安定したコミュニテイーの限界

既に記したように、地域コミュニティはアイデンティティを確率しやすく、精神的に安定しやすいのは認める。しかし、それは強者の理論だ。

安定している事は、裏を返せば逆転不可のコミュニティということであり、そんな集団は下位のヒエラルキーの者にとっては絶望でしかない。

人間関係は一度固定してしまうと変えることが難しい。1対1の関係であれば逆転が無いこともないが、コミュニティという大きな集団になってしまうと、もはや自分の力だけでは変えがたいシロモノになる。

その集団の中で、強い権限を持つもの、つまり既得権益側の人間は当然集団の維持を図ろうとする。そうなると弱者は弱者で居続けなければならない。この最悪かたちが「いじめ」だ。

 

いじめの起きないコミュニティ

以前「いじめの起きないコミュニティとはどんなコミュニティか?」という事を一生懸命考えたことがあった。その結果「程よく人が入れ替わるコミュニティ」が一番いじめが起きにくいという結論に達した。

想像してみてほしい。学校でも会社でも、今いる組織のメンバーが(1週間や1ヶ月で)定期的に入れ替わるとしよう、その組織でいじめは起きるだろうか?否である。

現状そんな組織は現実的ではないのかもしれないが、思考実験だと思ってほしい。いじめは硬直した密な人間関係の中で生まれる。生物は自分より強い生物に喧嘩を吹っ掛けない。そして相手が自分より強いか弱いかの判断、そしてそこから危害を加えるに至る判断にはある程度時間を要する。

筆者は他者からの評価とそこから生じる不安をネガティブなモノとして書いているが、私はそうは思わない。その不安によって、人は他者に危害を加える事に躊躇できる。だとすれば、そこには一定の価値がる。地域コミュニティから脱することによって救われる人間もいるのだ。

(本当の事を言うと、たとえ地域コミュニティーにいても不安と無縁ではいられないと思うのだか)

 

人と幸福の因果な関係

さて、コミュニティーコミュニティーとうるさいが、そもそもコミュニティに属さないという選択肢はないのだろうか?その答えが知りたければ、この原則を押さえておこう。

 

【コミュニティーや人間関係は煩わしい、しかし、人はそれ無しで幸福にはなれない。】

 

あなたも人間関係を面倒だと思った事があるだろう。そして、その人間関係の環から出たいと思った事もあるだろう。しかし!実に難儀な事に!人は1人では生きられない!!

これは物理的な問題ではない。衣食住の問題であれば、頑張れば何とかなるかもしれない。しかし、これは精神の問題なのだ。人は人間関係に絶望しても、それでも他者を求める。友人を欲し、恋人を欲す。これは本能であり、感情の話問題だ。それゆえ止むに止まれない。社会の中で他者に貢献する、そして他者に認められる、そうして初めて幸福を感じれるのだ。自信もニート生活を経験した事があるが、あれは長くは続かない。

この問題を解決するポイントは2つだ。

1つは処世術、或いは対人術を学ぶ。そしてコミュニティの中で円滑な人間関係を目指す。こうした技を身に付けることによって、人間関係から生まれるネガティブなモノを、限りなくゼロにする方法だ。

もう一つは所属するコミュニティをよく選ぶこと。類は友を呼ぶ。価値観の全然違うコニュニティにいても不幸しか生まない。あなたと限りなく価値観の近しい友人や恋人、そしてコミュニティを探すのだ。

 

このテーマに興味ある人におすすめの本を2冊紹介しておきます。どちらも非常に現実的で実践的な良書です。 ぜひご一読あれ!

嫌われる勇気

嫌われる勇気

 

 

 

戦争映画、上から見るか下から見るか

戦争映画やパニック映画を誰しも1度は見た事あると思う。戦時下や宇宙人襲来や大災害などの非常事態はまさに非日常であり、それ故題材として描かれやすい。今回はそんな戦争映画の見方を1つ紹介したいと思う。

宇宙人襲来はギリ分かるとして、災害は戦争か?と思われるかもしれないが、平和な日常が失われたら…それはもう戦争じゃろがい!!…という精神でご了承願いたい。

さて、そんな非常事態映画を見ていて、ある法則に気が付いた。これが分かればその映画がどんなテイストでどんな展開になるかがある程度推測できるようになる。この見方が、あなたの映画ライフの一助になれば幸いである。

 

戦争映画、上から見るか下から見るか

映画の中で非常事態が起こる。その規模はまちまちであるが、その出来事に対してどの視点から描くのか、すなわち主人公はどこからその出来事に向き合うのか。これによって、映画の性質が変わって来る。視点とその特徴は以下の3つである。

 

  • 上から見る:事態を把握している上層部
  • 中から見る:現場にいる兵士や職業人
  • 下から見る:自体を一切把握せず巻き込まれる民間人

これだけだと良く分からないと思うので、一つだけ例を出してみよう。例えば宇宙人襲来という軸でこれを当てはめると、

  • 上から見る:インディペンデンスデイ(大統領視点)
  • 中から見る:世界侵略ロサンゼルス決戦(兵士視点)
  • 下から見る:宇宙戦争トムクルーズ視点)

こんな感じだ。便宜上、上や下などという言葉を使っているが、別に差があるとは思ってないので悪しからず。これからそれぞれ視点の特徴についてもう少し説明していこう。

 

上から見る

上から見るとは戦争を俯瞰的な立場から見ること、つまり事態をある程度把握している政府高官や軍の上層部から描かれる物語だ。特徴を上げるとこんな感じ。

  • ジャンル:娯楽大作はコレ、政治劇もコレ
  • 敵:ハッキリした敵がや目標が設定されている
  • 余韻:ちゃんと決着する、ハッピーエンドになりやすい。

説明するまでもないかもしれないが、国家規模の物語になりやすい。なのでまず規模がでかい。戦力をガンガン投入する。ドッギャンばったんガラガラドーン!!娯楽大作にうってつけな視点である。

また、聞いたことあるかもしれないが、戦争は外交の1手段である。つまり、戦争は決して目的ではなく、対外的な政策である外交手段の1つである。そして外交の決定権を握るのは政治家や官僚といった上層部である。 こういった政治劇の場合、戦闘シーンは殆ど無く、密室での会話劇が中心となる。

そして、事態がキチンと収束する。戦争なら勝利し、宇宙人が来てたら追い返す、災害も収まる。これらが上から戦争を見た場合の特徴である。

 

なんつったてアメリカ大統領が話の中心にいる、これ以上の上層部はいない。 敵の正体も割とはっきりするし、世界のどこが攻められてるとか、概ね状況が把握されてる。「上から見る」の教科書的な作品。

 

シン・ゴジラ

シン・ゴジラ

 

広告コピーの一つに「ニッポン対ゴジラ」とあったことからも分かるように、主人公矢口蘭堂が政治家だったことからも分かるように、シンゴジラも「上から見る」の一つだ。ゴジラの現在地、正体など、分かっていることは観客も同時に知れるようになっている。

防衛軍や民間人など、作品によっては中や下から見ることがあるのもこのシリーズの特徴だ。

 

 ウサマ・ビン・ラディンを追うCIA分析官の物語だ。がっつり政治劇で「いかに目的のビンラディンまで辿り着くか?」が物語の焦点になってくる。その手段として拷問や司法取引が行われるのだが、それらの描写が実際に政治的論争にまで発展した。それでも様々な映画際で賞をかっさらっていった作品だ。

全然関係ないけど、主演のジェシカ・チャスティン、めちゃめちゃ好み。彼女の役どころは中間管理職的で、事務方の指揮官という感じなので、上から視点と中から視点の中間的な話だ、それ故に目標はしっかり達成するが、後味はあまりよくない

 

中から見る

中から見るとは 、戦争をその戦闘がまさに行われている現場から見ることである。戦いの渦中にあるので、先ほどのような俯瞰的な視点は薄れ、むしろ目の前の敵(目標)をいかに攻略するかという部分に作品の盛り上がりがくる様になっている。

  • ジャンル:重厚な人間ドラマ、名作として語り継がれるのはコレ
  • 敵:途中からハッキリしてくるが、割とぼんやり
  • 余韻:無事解決!とはならなず、切なさを残す
  • その他:戦闘シーン多め

主人公は兵士の一人のパターンが多く、この個人の非凡さが作品のフックとして使われる。それゆえ英雄譚が多く、名作と呼ばれる作品が多い!いくつかオススメを紹介するが、いずれもどこかで見聞きしたことがある作品だろう。

 

映画史に残る冒頭30分。プライムビデオで見れるから、騙されたと思って最初だけ見て欲しい。初見の時はあまりの自体に言葉が出なかった。連合国15万vsドイツ軍4万のノルマンディー上陸作戦。その連合国側の視点の戦争。

 

ソビエト軍のスナイパー(ジュード・ロウ)視点の対ドイツの戦争映画。このスターリングラードと先のプライベートライアンで戦争映画2大巨頭(と思ってる)。どちらも圧倒的な映像の力で、戦争がいかなるものか物語ってくれる。戦争がいかなるものか、言葉だけでは中々言い表せられないが、映像によって見ている者にとうとうと語りかけてくるものがある。

戦争ダメ!絶対!!

 

今年公開されたハクソーリッジも中から見る映画で、人命救助の英雄譚である。米国vs日本の米国視点の話ゆえ、日本時としては心苦しい場面が多い。人は意図せず愛国心を持つものだと実感させられた映画である。詳しくはこちらをどうぞ→2017年下半期 劇場公開映画ざっくり感想まとめ - 蔵ログ

 

これまでが第二次世界大戦が舞台の話であるが、ここからは最近の戦争が舞台になっている。イラク戦争でレジェントとなった狙撃手の話。トイレも行けず、スナイパーって大変なんだな…。

 

こちらもイラク戦争。主人公が爆弾処理班という珍しい設定。「極限状態に慣れてしまったある種の人たちは、そこでしか生の実感が湧かなくなるんだな」と思った作品。戦争云々というより、職業人としての軍人の誇りと哀しさにフォーカスした1作。

「上から見る」で紹介したゼロ・ダーク・サーティと同じ監督で、こちらは第82回アカデミー賞作品賞を受賞した。

 

下から見る

下から見るとは、事態の状況を掴めない民間人の視点だ。航空機も持ってなく、基本地上から状況を見上げるしかないので、この表現にしている。

  • 事態の状況がわからないし、解決法もわからない
  • なので主人公が基本的に無力
  • だから人気がなく、興行的に失敗しがち
  • 戦闘がクライマックスにならない

とまぁ悪口めいたものを書いたが、何を隠そう僕が1番好きなジャンルはここだ。みんなもっとこの視点楽しめばしいのに!と思う。 この視点が人気が出ずらいのは分かる。多くの人は「俺つえー」状態が好きだし、事態を俯瞰的に見るのが好きだ。

だからそれを期待してこの視点を見るとガッカリすることになる。違う!この視点が描きたいのは人間であり生き様だ。ジャンル的に言えばヒューマンドラマ!!でも、なまじSFやアクションの面をしているから悲劇が起こる。この視点はヒューマンドラマを見るつもりで観賞するのがオススメです。

 

宇宙戦争 (字幕版)

宇宙戦争 (字幕版)

 

個人的に過小評価されてる戦争映画ナンバーワンだ。タイトルのせいでドンパチ映画を期待すると痛い目を見る。そんなものは「上から見る」に任せればいいし、そっちを見ればいい。

これは家族の話だ。起こっている事態は単なる設定に過ぎない。冒頭と最後でドムクルーズとその家族の関係はどう変化するか。そこに注目すればより一層作品が楽しめる。

映像で人をいかに描くか?この映画はその教科書的な作品でもある。来ている服や、話す単語、住んでる場所や友人、それらで主人公の状態がよく説明されている。こんな低所得のトムクルーズも珍しい。

 

韓国の単なるB級映画だと思ったでしょ?俺も最初はそう思った、ゴジラの出来損ないだと。でも違った、メチャメチャ面白かった。これも家族の話だ。韓国にいる少しおかしな家族、その一家から見た(ゴジラのような)怪物の話だ。

韓国の鬼才ポン・ジュノ監督作品だが、彼は作品はどれもどこか間が抜けた変な映画だ。スノーピアーサー以外オススメです!

 

 カンヌ映画祭で最高賞、米国アカデミー賞で監督賞と、名前ぐらいは聞いた事があるかもしれない。ピアニストと戦場という、およそ似つかわしくない言葉の対比が印象的な邦題である。

タイトル通り主人公は一介のピアニストだ、それゆえ戦争にただただ翻弄されるしかない。戦況によってじわりじわりと追い込まれていく様子は胸に来るものがある。

 

 さて、僕の生涯ベスト級映画の紹介だ。今までこの映画をオススメすると、「え?デイアフタートゥモロー?」「え?トゥモローランド?」とすっとんきょうな反応が返って来たが、今ならこう言えるゼログラビティの監督の作品だと。

この映画で衝撃だったが、出産の描写と、クライマックスの長回しだ。映画で出産シーンは珍しいが、さらにここまで丁寧に描写する映画も珍しい。そしてこの映画には3つの長回しシーンがある。その長いシーンの最初と最後、事態が大いに変化する。ただ長けりゃ良いってもんでもない、実に圧巻の長回しである。

凄ーく良い映画なのにじぇんじぇん人気ない!見てない人が大多数だと思うので、是非ご鑑賞あれ^^。

 

 

以上、戦争映画上から見るか下から見るか?でした。あなたはどの視点の作品が好きですか?