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没頭できることを求めて

中学卒業程度試験というものがあるらしい

高卒認定」という単語を聞いたことがある妥当か、ある世代以上にとっては「大検」と言えば伝わるかもしれない。要は高校を卒業しなかった者に大学受験のチャンスを与えるための試験である。

私もこの「高卒認定」は存在自体は知っていた。しかし、世の中は広い(?)。実は「中卒認定」なるものもあるらしいのだ。これは存在も知らなかった。今回はこの「中卒認定」(以下「中認」)について調べて分かったことを書いていきたい。

 

 

概要

出願期間:8月下旬~9月上旬

試験日:10月下旬(1日で5教科実施)

合格発表:12月上旬

受験資格:ざっくり言うと中学を卒業してない15歳以上の人

受験料:無料

 

試験日の概要

10月下旬に、1日で5科目受験する。

拘束時間は大体10時~15時40分。

一つの科目の受験時間は40分

 

合格特典

合格した人は高校の入学資格が与えられる!

ここで注意なのは、中卒の学歴が手に入るわけではない事だ。あくまで手に入るのは高校入学の資格であり、中卒の資格ではない。これは高認試験で手に入るのが大学入学の資格であり、高卒の資格ではないのと同じだ。

 

受験者数と合格率から見える特徴

年      受験者 合格者 合格率

平成1    90    77    85.6%
平成2    76    65    85.5%
平成3    61    48    78.7%
平成4    52    49    94.2%
平成5    45    38    84.4%
平成6    26    24    92.3%
平成7    24    23    95.8%
平成8    25    24    96.0%
平成9    33    28    84.8%
平成10  27    18    66.7%
平成11  57    40    70.2%
平成12  59    49    83.1%
平成13  39    29    74.4%
平成14  48    39    81.3%
平成15  71    62    87.3%

 

全国で100人も受験していないのが先ず驚き。それだけ日本の義務教育が盤石な事に敬意を示しつつ、このわずかな人数の為に、果たして文部科学省がどれだけ力を入れているのかは謎。また、需要は100人に満たないため、予備校などの市場が存在していない!

受験者数は年によって激変しているが、合格率は80~95%で概ね推移しているのも特徴。つまり、受験者の殆どは合格していることになる。

ちなみに比較対象として言及しておくと、高卒認定は毎年30,000人前後が受験している!

 

難易度

あんまり難しくない。教科書の内容を理解しておけば十分。 

参考までに過去問のリンク→中学校卒業程度認定試験問題:文部科学省

 

科目免除条件

英語:英検3級以上

国語:日本語能力検定2級以上(N2以上)

英語と国語は外部試験を使用して免除することも可能。英語は英検3級以上、国語は日本語検定旧2級以上で免除になる。

つまり、この2つ試験の合格を目指しても十分対策になり得る。

 

教科別対策法

正直本番の試験を受験したわけじゃないし、このレベルを専門に教えたこともない。なので申し訳ないが、その点は留意してもらいたい。それでも教育者の端くれとしてい、一応各教科のオススメの参考書を紹介しておく。ポイントは「出来る限りやさしく」だ。

こういう言い方は良いのか分からないが、過去問を見る限りレベルは高くない、でも、無勉強で合格できるほど易しくもない。

一言でまとめると「教科書レベルが理解できていれば合格する」感じだ。しかし、教科書は読んでいてあまり面白くない(面白いと感じる人は多分この試験をそもそも必要としてない)。

なので、出来る限り勉強の敷居を低くするような教材を選んだ。結果、全教科同じシリーズになってしまった。

この試験を必要としているあなたに向けて言うよ、「好きな科目からやった方がいい」。学校それ自体か勉強があまり面白いと思わなかったあなたの事だ。無理に苦手科目で嫌な思いをする必要はない。

今、一番興味のある科目からスタートして、純粋に知識を手に入れる事の喜びを感じてもらえると嬉しい

 

ここから各教科別オススメを書いていくが、全ての教科で流れは同じだ。

・インプット(理解):やさしくまるごとシリーズ

インプット用の教材で概念や言葉を理解する。人によってはここまでオッケー。得意科目なら次のアウトプットを飛ばして過去問に進んでしまおう。

   ↓

アウトプット(知識定着):ひとつひとつ分かりやすくシリーズ

人間は忘れる生き物だから、一度覚えたものを忘れない様に復習しなきゃいけない。そこでアウトプット用の教材で知識の定着を計る。

   ↓

過去問:本番のレベルや出る問題を確認する

ここまでやれば過去問をスイスイ解けるようになっているはずだ。実際に過去問を説いてみて、どんな形式で問題が出題されるのか確認する。そして、間違えたり忘れていた箇所は、インプット用、アウトプット用の教材で再度復習しておく。それを繰り返していけば合格間違い無しだ。

 

英語

英語と数学を苦手とする人は多いが、この2つには実は共通する特徴がある。両者とも「アウトプットが必須」なのだ。この2教科は知識の獲得だけではなく、知識の運用まで問われる。

理科や社会は、用語さえ覚えてしまえばなんとかなる。しかし、英語と数学は用語を覚えるだけじゃ点数にならないのだ。だから何度も問題に取り組む必要があるのだ。頑張ってほしい。

 

インプット用(理解用)

やさしくまるごと中学英語

やさしくまるごと中学英語

 

 ↑これを読みながら、↓こっちに取り組む 

 

アウトプット用(知識定着用)

中学 英語を もう一度ひとつひとつわかりやすく。

中学 英語を もう一度ひとつひとつわかりやすく。

 

 

国語

 インプット用(理解用)

やさしくまるごと中学国語

やさしくまるごと中学国語

 

 ↑これを読みながら、↓こっちに取り組む 

 

  アウトプット用(知識定着用)

中学国語をひとつひとつわかりやすく。 (中学ひとつひとつわかりやすく)

中学国語をひとつひとつわかりやすく。 (中学ひとつひとつわかりやすく)

 

 

数学

英語のところで触れたが、数学は知識+運用が求められる教科なので、アウトプットも頑張って欲しい。

 

 インプット用(理解用)

やさしくまるごと中学数学

やさしくまるごと中学数学

 

 ↑これを読みながら、↓こっちに取り組む 

 

  アウトプット用(知識定着用)

 

社会

中学の社会は①歴史、②公民、③地理の3つに分かれる。インプット用は1冊でいいけど、アウトプット用は3冊に分かれてしまう。使う冊数を増やしたくなければ、アウトプット用は過去問にしても良いと思う。

 

インプット用(理解用)

やさしくまるごと中学社会

やさしくまるごと中学社会

 

 ↑これを読みながら、↓こっちに取り組む 

 

  アウトプット用(知識定着用)3冊

中学 歴史を ひとつひとつわかりやすく。

中学 歴史を ひとつひとつわかりやすく。

 
中学公民をひとつひとつわかりやすく。 (中学ひとつひとつわかりやすく)

中学公民をひとつひとつわかりやすく。 (中学ひとつひとつわかりやすく)

 
中学地理をひとつひとつわかりやすく。改訂版 (中学ひとつひとつわかりやすく)

中学地理をひとつひとつわかりやすく。改訂版 (中学ひとつひとつわかりやすく)

 

 

理科

インプット用(理解用)

やさしくまるごと中学理科

やさしくまるごと中学理科

 

 ↑これを読みながら、↓こっちに取り組む

 

 アウトプット用(知識定着用)

中3理科をひとつひとつわかりやすく。 (中学ひとつひとつわかりやすく)

中3理科をひとつひとつわかりやすく。 (中学ひとつひとつわかりやすく)

 

 

以上!

今回の中卒認定について調べていたら↓こんなマンガがある事を知った。日本の漫画業界は本当に裾野が広い…!

中卒労働者から始める高校生活 1

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