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元全国2位が教える【受験日本史】~其之参~おすすめの参考書

其之壱:年代はほとんど覚えなくていい

其之弐:なぜ山川日本史の教科書はつまらないのか

 

というわけで、受験日本史の話第3回の今回は、おすすめの参考書について書いていきたいと思います。

前提として、私はできるだけ勉強量は少ない方がいいし、使う参考書は少ない方がいいと思ってます。分厚い参考書が苦手で、極端なことをいえば「参考書は薄けりゃ薄いだけ良い参考書」とさえ思ってます(だってその方が大事エッセンスがギュッと詰まってて余計な勉強をしなくて良い気がするから)。

歴史の参考書は兎角分厚くなりがちですが、今回紹介するのはいずれも日本史の参考書の中では薄めだと思います。勿論内容はいずれも十分です。

今回はそんな私がオススメする参考書を4冊、通史、一問一答、まとめ系、史料問題から1冊ずつ紹介したいと思います。 

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通史

結論から言うと予備校や塾に行ってるなら流れ系はそれで十分!以上!

寧ろそれ以上負担増やしちゃダメ!他の科目も勉強してね٩( 'ω' )و

その上でオススメしたいのが、可能であれば授業を録音させてもらうことだ。人は一度見聞きしただけの体験を、完璧に記憶することはできない(「エビングハウス忘却曲線」で検索!)。なので、記憶に留めたいことは何度も繰り返す必要がある。そこで有効になってくるのが授業の録音だ。

授業を録音しておけば、授業が終わった後、何度でも気軽に復習できる。さらに自分が実際に受けた授業なら想起する(再び思い出す)ことも容易だ。せっかく少なくないお金を投資したのだから、使い倒した方がいい。

英語や数学は視覚情報が占める割合が多いので、音声記録と相性イマイチだ。だが、歴史はストーリーもあるし、音のみで十分学習可能である。私は毎日寝る前に、録音授業内容を倍速再生しながら聞いていた。これによって忘れそうになっている時代の復習をしていたのだ。

僕が学生の時はわざわざテープやMDレコーダーで録音してたけど、今はスマホで簡単に録音できるようになったし、スタディサプリのようなオンライン講義なら録音の必要すらなくなった、本当にいい時代になったと思う。

 

予備校や塾に行っていない場合

金銭的な事情や、物理的な問題で予備校や塾にいけない受験生もいると思う。先ほど紹介したスタディサプリも「オフラインで使えない」という欠点がある。なので、これら条件を満たす受験生にはこちらを進めておく。

日本史の流れ系の参考書はたくさんあり本書がその中で特別優れている訳ではない。しかし!↑のように音声版が販売されているものは多くない。それだけで十分価値がある。日本史選択の受験生には全員配布したい教材である。(同じシリーズで外交史と文化史もあるが、通史の2冊分でも十分)

同じサイトで山川日本史の音声版も販売しているが、買ってはいけない!前回さんざん説明したように、感情を排した教科書は記憶に残りにくい。一方↑本書はとにかくクセが強い。感情や政治信条を入れまくっている。だから人によっては反発や反感を抱くかもしれない。でも、仮にそうなったとしても、感情が喚起されれば記憶には残り安くなるのだ。

 

 

 一問一答

日本史B一問一答【完全版】2nd edition (東進ブックス 大学受験 高速マスター)

日本史B一問一答【完全版】2nd edition (東進ブックス 大学受験 高速マスター)

 

一問一答の使用については賛否両論ある。曰く、日本史は流れが大事だ、日本史は理解が大事だ。そんな中で私の立場を言うと、一問一答はアリだと思っている。じゃあ一問一答を使用するメリットはなんなのか?

それは、用語の組み合わせを覚えることだ。本能寺ときたら織田信長(or明智光秀)、花の御所ときたら足利義満奇兵隊ときたら高杉晋作、みたいなわかりやすい関係から、台場ときたら江川英龍、鉱山王ときたら五代友厚大津事件ときたら児島惟謙(or津田三蔵)。こんな感じで、これがきたらこれが答えみたいな用語の組み合わせを覚えることだ(その1で例に出した、日中戦争のきっかけといえば盧溝橋事件、もそう)。

だから、一問一答というと答えを覚えるものだと思われがちだが、違う。

一問一答は、一問(問題の中にあるワード)と一答(答えの用語)の組み合わせを覚えるのが正しい姿勢なのだ。

僕が受験生の時は東進の一問一答しか選択肢がなかったが、今は旺文社からも日本史Bターゲットという名前で一問一答が出されている。本屋さんで確認して、読みやすい方を選んで欲しい。

使い方は英語の単語帳と同じでコツコツ覚えることだが、学校や予備校でやった範囲は直ぐに取り組むと効果がでかい。授業を受けたら速攻で取り組んで、何度も何度も復習して欲しい。

そして直前期は1日1〜2時代を高速で復習して、1週間(7日)で1周できるようになれば、準備万端である(`・∀・´)

 

まとめ系

まとめ系ってなんぞ?って思われたかもしれませんが、テーマ別に学習する際に使用する教材くらいで捉えて置いて下さい。(外交史や金融史、世界史なら各国史など)。

日本史でるとこ攻略法 (シグマベスト)

日本史でるとこ攻略法 (シグマベスト)

 

んでオススメはこちらです。これが凄く良かった。まずメチャメチャ薄い、そして小さい、超ハンディー。これを使わない受験生はMOTTAINAI

内容は多岐に渡りますが、歴代室町将軍、歴代江戸将軍、歴代総理大臣など、日本史を学習する上で避けては通れぬ丸暗記系を一気に効率化してくれます。

薄いし安い、最高の参考書です。是非お試しあれ。

  

史料問題

受験生が忘れがちな対策として史料問題があります。要は日本史史上重要な史料を掲載して、それが何の出来事を表しているのか、又はそれにまつわる事柄を問いてくる形式のやつです。センター試験は勿論、早慶でも頻出だが、そこまで対策が回る受験生はハッキリ言って多くない(英語でいうとリスニング対策みたいな感じ、出るけどみんな対策出来てないみたいな)。なので得点源に出来れば、他の受験生とガツンと差を付けることができる。

眠れぬ夜の土屋の日本史―史料と解説(SUPER PREMIUM)

眠れぬ夜の土屋の日本史―史料と解説(SUPER PREMIUM)

 

この問題を解くうえで大事なのが音読すること(心の中でもいい)、現代日本語とは当然違った日本語なので、独特のリズムがある。それが結構楽しかったりもするので、是非音読してほしい。 

覚えるべきポイントは赤字になっているので、そこだけ覚える。あとその史料が何のについて記述しているのか判別できるようにする。要は一問一答と同じで、単語と出来事の組み合わせがリンクできるようになればいいのだ。

此比(このごろ)都ニハヤルモノ 夜討強盗偽綸旨(にせりんじ)」と来たら「二条河原落書」で後醍醐天皇建武新政を批判した内容だなー

清国ハ朝鮮ノ完全無欠ナル独立自主ノ国タルコトヲ確認ス」と来たら日清戦争後の「下関条約」の内容だなー

欧州情勢ハ複雑怪奇」ときたらナチスソビエト独ソ不可侵条約を締結した際の、平沼騏一郎総理の発言だなー

とかこんな感じである。↑にある様に、現代日本語に慣れていると史料問題の日本語は読みにくい、だからある程度の慣れも必要になってくる。後、マインドとしては、教科書に載るくらいメチャメチャ重要な史料なんだなー、って感じで読んでほしい。教科書に載るレベルって結構な大事件である。一体どんな事が起こったんだろう??くらいの気持ちでワクワクしながら読めると最強である。

 

史料問題のまとめ

・史料の内容がなんの出来事について書いてあるのか判別できる様にする

・昔の日本語の表記やリズムに慣れておく

・音読して音としても記憶しておく(録音して繰り返し聞くだけでも可能)

 

まとめ

今回の内容を踏まえた上で、もし僕が受験生に戻り、出来るだけ楽に効率よく日本史を勉強するとしたら、使う教材はこうなる。

通史  :まんが学習 日本の歴史 全15巻 + 超速日本史の歴史全集

一問一答:日本史B一問一答【完全版】

まとめ :日本史でるとこ攻略法

史料対策:眠れぬ夜の土屋の日本史―史料と解説

参照  :日本史用語集山川 詳説日本史図録第7版

 

こうやって改めて見てみると、「覚える」という作業は一問一答、まとめ、史料の3つぐらいで後は基本「参照」である、参照は気軽に読めばいい。さらにまとめ系の日本史でるとこ攻略法も暗記の為のサポート的立場であるし、史料問題は音読でクリアできる。そうなるといわゆるガチ勉をするのは一問一答1冊のみである。だから極端に言ってしまうと「一問一答とその他補助」ぐらいの感じだ。

後はひたすら過去問を解いて、漏れてしまった知識を埋め、解答に至るプロセスを確認するだけである。日本史なんて楽勝だぜ!!とまでは言わないが、こう考えると意外といけそうな気がしてこないだろうか。

どうせやるなら是非楽しんで!日本史の勉強をしてみて下さい。(・ω・)ノ

今回の内容が少しでもお役に立てれば幸いです。