今回は青山学院2017年の過去問から。
テーマは「ユーチューバー(YouTuber)」。入試に似つかわしくない、非常にイマっぽくてキャッチーなネタで、受験生的にも取り組みやすかったと思います。
掲載赤本はこちら↓
青山学院大学(総合文化政策学部・地球社会共生学部・経済学部〈B方式〉・法学部〈B方式〉・経営学部〈B方式・C方式〉-個別学部日程) (2018年版大学入試シリーズ)
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2017年大問1:YouTuber人気の秘密
要約
パラ1:YouTuberは人気だけではなく、影響力も持つようになってきている
パラ2:子供に影響力のある人を聞いたところ「YouTuber>普通の有名人」という結果になった
パラ3:広報のイメージ戦略に影響されているない部分が10代にウケている
パラ4:人気のカギは親近感からくる愛着
パラ5:カメラに向かって話すと視聴者は自分に話しかけられてる感じがする
パラ6:若者文化を古い世代はわかってくれない
パラ7:まとめると、従来の有名人よりも本物で繋がりやすい、これがポイント
パラ8:ユーチューバーが稼ぎ始めると、色々あって親密度低くなりがち
パラ9:魅力の半分はコンテンツ、残りの半分は視聴者とのつながり
もう少し詳しい要約
パラ1:
ユーチューバーの中にはチャンネル登録4,200万人を誇る人もいる。なぜユーチューバーはこんなに人気が出たのだろうか?
パラ2:
アメリカの13〜18歳を調査したら、YouTuberはテレビの有名人より影響力があると見なされた。
パラ3:
10代の若者は広報戦略の影響を受けていないYouTuberとの親密で本物の経験を楽しんでおり、率直なユーモアセンス、歯に衣着せぬ発言、リスクを恐れない精神を評価している。
パラ4:
YouTuberを魅力的にしているのは、ファンにとって「自分たちと同じ」で「隣に住んでいる」感じがすることで、2015年の調査によると その愛着心は従来の有名人の7倍強い。
パラ5:ウェブカメラに向かって話すことが、視聴者に直接語りかける形になり、そこのことが親近感を生み出した。
パラ6:
10代の若者は「両親が興味がないもの」を求める傾向にあるが、これがユーチューバーなのだ。親にマイクラ実況動画の価値を説明することは、そのさらに上の世代にエルビス・プレスリーやビートルズの価値を納得させようとすることと同じである。
パラ7:
ユーチューバーの魅力を要約すると「従来の有名人よりも本物でつながりやすこと」とであるが、同時にファンじゃない人と親をイライラさせる要因でもある。
パラ8:
稼ぎ始めたユーチューバーが、視聴者と繋がりやすいままでいるのは難しい。スポンサーがつくと、だいたい視聴者をガッカリさせる投稿を始めたりもする。
パラ9:
ユーチューバー魅力は、半分はその投稿するビデオのコンテンツである。そして残りの半分は視聴者との繋がりなのだ。その繋がりをユーチューバーはこれからも利用していくだとう。
ポイント
最初にも触れたが受験生世代直撃の身近でイメージしやすい題材である。流れを乱暴に要約すると、
ユーチューバーって凄いんだぞ
↓
人気の秘密は親やすさ!
以上!みたいな話である。これ以上語ることはないし、YouTubeやユーチューバーに十分親しんでいる受験生諸君なら、解説すら不要とも思う。
今更言うまでもないかもしれないが、現在のユーチューバーの人気は本当に凄い。しかし、YouTubeが誕生した時はそうでもなかった。
ここからは、少し昔の話をしたいと思う。
私とYouTube
実は私はYouTubeが誕生して間も無く動画を投稿した1人だった。作ったものは大学の入学式の様子と、新歓で声をかけてくれた人に逆インタビューをすると言うものだった。
私が初めてYouTubeに動画を投稿したのは2007年のことだったが、その時、自分の周りに動画を投稿する人などいなかった。
その後、徐々に投稿をする人が増えて来て、中には番組っぽく編集し始める人たちが出て来た。彼らこそ日本最初期のユーチューバー達だ。(2008~2011年)
それから2~3年経ち、彼らのコンテンツが一定数溜まって来たころで、その一部がテレビに流されるようになった。しかし、当時はほとんどが「色モノ」としてしての扱いで「素人がネットで過激で変なことしている」的な扱いだった。
それが今ではどうだろう。ここ日本においてもテレビの影響力は下が続け、ネットが日々力を増して来ている。
さらにこんな本まで出て、事務所、養成所など、ユーチューバビジネスまで誕生した。(ただし怪しい勧誘や教材もあるから気をつけてね!)
YouTube黎明期に誰がここまで想像できただろうか。そして黎明期に頑張らなかった自分自身を日々悔やむ毎日である。
テレビの中の人はどう思っているか
一度、タレント事務所でマネージャーをしている後輩に、ユーチューバーやYouTubeビジネスについてどう思っているのか話を聞いたことがある。
本人の意識はさておき、タレント事務所としては、あまり良く思っていないことが言葉の端々から漏れていた。
よく考えれば、大手タレント事務所はいわば既得権益側である。そんな彼らが新興のタレントや事務所を快く思うはずがない。既存メディアとしてのプライドと、そこに飛びつかないだけの羞恥心がUUUMのようなユーチューバー事務所を作ったように思える。
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ユーチューバーのその先
さて、今ではすっかり一部の人々に人気になったユーチューバー達ではあるが、彼らの未来は明るいのだろうか?
歴史的に考えれば、メディアが変われば人気者もまた変わるものである。
江戸時代の人気者と言えば歌舞伎役者と力士であった。映画が娯楽として人気を獲得するにつれて、銀幕のスターと呼ばれる人達が誕生した。その後、1日に1台、テレビが過程に根付いて久しくなり、あらゆるジャンルのスターたちがそこから誕生してきた。
あるものは現役走り続け、あるものは業界から去り、あるものは華麗な転身を遂げ、またあるものは凋落した。テレビに出た人の数だけ、物語があった。
それが今終わろうとしている。YouTube、アメーバーTV、アマゾンプライムなどなど、実に様々なネットメディアが誕生している。
ユチューバー人気はもうしばらく続く。しかし、さらにその次がまた、どこかからやってくるのだ。
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