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元全国2位が教える【受験日本史】~其之壱~年代はほとんど覚えなくていい

そうです、私です。数少ない杵柄(きねづか)です。

言うて模試なんて年何十回とありますし、日本史だけですし、1回だけですし、1位じゃないですしおすし。

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これがどれくらいのレベルかというと、早慶だろうがどこだろうが入試では常に9割超えるレベル

そんな受験生時代に獲得した知識も、今や宇宙の藻屑になってしまい、今更何かを教えたり、解説したりはできないと思ってます。

しかし!日本史受験を見ながら思うところがあり、自分の体験談を語ろうと思ったしだいです。何か1つでも勉強のヒントになれば幸いです。

 

 

さて今回の内容ですが、歴史勉強あるあるの「年代暗記」の話です。

まずは結論からいきましょう。

 

歴史の年代を丸暗記する必要はない

 大事な事なのでもう一度、

歴史の年代を丸暗記する必要はありません


そうです。その出来事が何年の出来事なんて暗記する必要はありません。巷には年代のゴロ本や参考書がありますが、それをやってる人を見る度にこう思います。

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ヒストリエ第1巻より)

嘘です、言い過ぎました。そこまでじゃないです。

 

年代を全て覚えるのは不毛だ

歴史の勉強をすると分かりますが、近現代の方が圧倒的に覚えることが多くなっていきます。

300年近い長期政権が交代した幕末、そして植民地になる恐怖に怯えながら先進国の仲間入りしようとした明治時代。動乱に次ぐ動乱、この時代は何もない年が無いぐらいほぼ毎年重大イベントが起こります。

そうなると、1800年代、1900年代は以前の時代と比べ物にならないくらい覚える事が増えていきます。

年代を丸暗記する受験生は、その度に「いや~、いや~、ひとは~、ひとは~」とか「いく~、いく~、ひどく~」とゴロを作るのでしょうか…。

 

アホかと!

こんなゴロを一所懸命覚えるのはナンセンス!!

 

年代を覚えるより時代を覚える方が大事、そして覚えるとしても下2桁でいい、これが今回一番伝えたい事です。

繰り返しますが、キーワードは「時代の意識」と「下2桁」です。

 

まずは、なぜ年代丸暗記が不毛なのか説明したいと思います。 

 

年代は副詞だから覚える必要がない

やや本筋と離れますが、先ずはそもそも論的な話です。

ここは受験日本史というより品詞の話になるので、面倒だと思ったら次章まで飛ばして下さい('ω')ノ

 

主語・動詞>目的語・補語>副詞 

英語で完全文と不完全文という言葉を習ったことがあると思います。全然難しい話ではありません。

  • 不完全文:主語、動詞、目的語、補語などが欠けている文
  • 完全分:主語、動詞、目的語、補語などを欠いてない文

これ自体はどうでもいいのです。大事なのは、ここに副詞の名が出てこないという事でうす。

つまり、文を構成するものは主語、動詞、目的語、補語であり、副詞は文の成分ならない。ということは、副詞はあっても無くても影響を与えない品詞、(他と比べれば)いらない品詞という事になります。

そして、年代は副詞です。例を出して見てみましょう。

 

織田信長は1573年に室町幕府を滅ぼした。」という文章があったとしましょう。これを品詞分解するとこうなります。


織田信長:主語 / 滅ぼした:動詞 / 室町幕府:目的語 / 1573年:副詞

 

・主語を抜く
 「織田信長1573年に室町幕府を滅ぼした。」
 →室町幕府の末路は分かるけど、主体がわかんない。不完全文×

・動詞を抜く
織田信長は1573年に室町幕府滅ぼした。
 →どーしたの!???不完全文×

・目的語を抜く
織田信長は1573年に室町幕府滅ぼした。」
 →何を!??不完全文×

・副詞を抜く
織田信長1573年に室町幕府を滅ぼした。」
 →誰が何をしたかが分かり、文章も完全文のまま◎


(関係ないけど、室町幕府って名前はみんな知ってるけど、その最期を知っている人は意外と少ないよね)

以上のように誰が(主語S 何を(目的語O どうした(動詞Vは言葉の性質上省けないのに対して、いつ(副詞)は省略することができます。

という事は、主語、動詞、目的語、補語こそが記述の中心であり、副詞である年号はそれより優先度が低いことになります。

 

結論:年号は副詞だから優先順位が低い

  

年代を覚えなくても正解できるから覚えなくていい

まず、大前提として「年代の記憶は目的ではなく手段」ということを覚えておいて下さい。

言い換えると「出来事の年を覚えるのは、答えるためではなく答えのヒントとして使うため」なのです。

僕が記憶する限り、西暦何年の出来事か直接問われることはありません(ゼロではないけど限りなくゼロ)。じゃあなんの為に年を覚えるかといえば、

 

①解答のヒントになる

②起こった順番は問われる

 この2つのためです。それぞれ見ていきましょう。

 

解答のヒントになる

仮に次のような問題があったとします。

例題1

1937年、北京で日本軍と中国国民革命軍が衝突した( ① )が起こり、ここから日中戦争がはじまった

解答のヒントは「1937年」と「ここから日中戦争がはじまった」の2つです。

じゃあこの問題を解くときにどちらをヒントにするのか?受験日本史的には「日中戦争のきっかけ」で十分解答の根拠になり得ます。仮に年代を覚えていても、回答の根拠が少し上がる程度です。

たとえば、日中戦争の契機を知らなかったとして、偶然にも1937年の出来事として今回の解答を覚えていたとしましょう。この場合一見すると、年代暗記が役に立ったように思えるかもしれません。

しかし、それは現実的な方法ではありません。例えば1937年の出来事として「第二次上海戦争」というものがあります。字面だけ見れば、これもに日中戦争の契機になりそうな文面です。

つまり、用語の中身を知らず「年代+用語」だけ覚える事にあまり意味はなく、逆に出来事の内容や歴史的意義を知っているだけで十分解答できます。

よって、一つ一つ律儀に年代を丸暗記する必要はなく、先ずは出来事の流れや用語の意味を覚えるのに注力すべきなのです。

 

*ちなみに上の問題の答えは「盧溝橋事件」です。193777日で起きた出来事で「盧」という漢字には「」という字が含まれており、奇跡的に年号が覚えやすい出来事です(*‘ω‘ *)

 

起こった順番は聞かれる

過去問を解くとわかると思いますが、受験日本史では「起こった出来事並べ替え問題」が頻出します。例えば2014年のセンター試験ではこんな問題が出題されています。

例題2

近世の印刷物に関して述べた次の文Ⅰ~Ⅲについて,古いものから年代順に正しく配 列したものを,下の①~⑥のうちから一つ選べ。

 

Ⅰ 宣教師が伝えた活字印刷術によって,天草版(キリシタン版)が作られた。 
Ⅱ 『日本永代蔵』などの,浮世草子とよばれる小説が著された。
Ⅲ 喜多川歌麿が,多色刷の浮世絵版画(錦絵)の絵師として活躍した。


① Ⅰ─Ⅱ─Ⅲ  ② Ⅰ─Ⅲ─Ⅱ  ③ Ⅱ─Ⅰ─Ⅲ  
④ Ⅱ─Ⅲ─Ⅰ  ⑤ Ⅲ─Ⅰ─Ⅱ  ⑥ Ⅲ─Ⅱ─Ⅰ

                <センター試験2014年日本史B>より

 

これも各年代を細かく覚えていなくても解ける問題です。それぞれの正確な年代を知ら無い前提の解法を紹介します。

Ⅰ:宣教師は戦国時代には既に存在したし、江戸時代が始まって割とすぐにキリスト教は踏み絵など弾圧の対象になったから(具体例としては天草四郎の乱とか)1600年前後かな。

Ⅱ:「日本永代蔵」は井原西鶴の作品で、井原西鶴浮世草子江戸前期の元禄文化の事だから1700年前後かな。

Ⅲ:喜多川歌麿や錦絵は、江戸後期の化政文化の事だから1800年前後かな。

 

後述しますが、この様な50年〜100年単位の大雑把な時代区分でも十分正解に至ることができます。(正解は「① Ⅰ─Ⅱ─Ⅲ」)

 

もう1問、同年のセンター試験の問題を見てみましょう。これも年代が分からない前提で解いてみます。

例題3

 古いものから年代順に正しく配列したものを,下の①~⑥ のうちから一つ選べ。

 

Ⅰ 米・英・中 3 国の首脳が会談し,カイロ宣言を発表した。
日本海軍は,ミッドウェー海戦航空母艦 4 隻を失う大敗北を喫した。 
Ⅲ 広島と長崎に原子爆弾が投下され,多数の民間人が犠牲となった。

 

① Ⅰ─Ⅱ─Ⅲ  ② Ⅰ─Ⅲ─Ⅱ  ③ Ⅱ─Ⅰ─Ⅲ
④ Ⅱ─Ⅲ─Ⅰ  ⑤ Ⅲ─Ⅰ─Ⅱ  ⑥ Ⅲ─Ⅱ─Ⅰ

                <センター試験2014年日本史B>より

 

 Ⅰ:カイロ宣言は枢軸国側のイタリアが降伏した後の宣言。そして、カイロ宣言はその後のポツダム宣言に繋がる戦後処理に関する宣言。よって、連合国側が勝利を確信した後に会談したに違いない…!

Ⅱ:ミッドウェー海戦山本五十六司令長官が惨敗して、制空権を取られた戦い。それまでどんどんで拡大していった日本の戦況が、ここから悪化していく…。という事はカイロ宣言よりは前かな。

Ⅲ:日本にとっては原爆≒終戦だから、これが最後。

 

よって答えは「③ ⅡーⅠーⅢ」となります。この様に、年号を暗記していなくても十分正解にたどり着けます。(ちなみに、Ⅰが1943年、Ⅱが1942年、Ⅲが1945年)

 

いやいやいやいやいや!この問題は年代暗記してた方がいいでしょ!

そう思ったあなた、実に賢い。確かに1940〜45年は戦争が過酷さを極める部分で、1年単位で整理していた方が良いです。

今回の問題も、年代暗記していれば一瞬で終わります。ただ、あくまでここで言いたかったのは、流れや内容だけでも解答に到達できますと、という事なのです。

それでもやはり年代丸暗記は不必要です。この問題に至っても覚えるべきは40〜45年の下2桁で十分で、全部を覚える必要はありません。この「下2桁」作戦については後述します。

 

結論:年代暗記は解答のヒントになるし、年代順も聞かれるけど、出来事の内容や歴史的意義を分かっていれば、選択だろうと記述だろうと正解できる。

 

年代よりも何時代かが大事

見出しでネタバレしてますが、歴史用語を覚える時に、それが何時代かを意識するのは非常に重要です。なに当り前の事をと思うかもしれません。

しかし、これが出来ていない受験生は意外と多いです。今回も例題をやってみよう。

 例題4


平安中期、東国では高望王の孫にあたる平将門が、また西国では瀬戸内海海賊の首領であった藤原純友が中央へ反乱を起こした。これを( A )という。


 ①文禄慶長の役、②承平天慶の乱 ③文永弘安の役 ④長享延徳の乱

この様に受験日本史では、間違いの選択肢として字面やリズムが似ている用語が出てきます。

用語の内容を知っていれば当然正解できますが、仮に起こった時代だけ(それもなんとなく)知っているだけで正解にたどり着く事ができます。その際の思考回路をみてみましょう。 

①は安土桃山時代豊臣秀吉朝鮮出兵のこと。晩年の秀吉は耄碌したワンマン社長みたい。まさに「殿、ご乱心」状態。

②正解、藤原純友の「瀬戸内海海賊の首領」ってなんかワンピースみたいだよね。

③は鎌倉時代でいわゆる元寇との戦争、北条時宗は日本の救世主、マジぱない。 

④は室町後期、六角さんがやられた戦。別名が「鈎(まがり)の陣」で無駄にカッコいい。ちなみにこの用語は優先度低い。

 

この様に文字面が似ている問題でさえ、出来事の内容と時代が分かっていれば年代を暗記していなくても解答する事は可能です。何時代の出来事か知っているだけで、一瞬で残りの選択肢を消せます。

 

どうしても覚えたければ下2ケタだけ覚えよ

ここから先は、ここまでの主張は分かった上で、やっぱり年代を覚えたい人向けのテクニックです。

年代覚えは、確かに役に立ちます。他と比べて優先度が低いだけで覚えているに越したことはありません。内容と年代、この2つが合わされば鬼に金棒、いや、坂本龍馬にいろは丸。しかし、それでも全部覚える必要はありません、下2桁で大丈夫です。

なぜか?

なんと、時代だけ覚えておけば、上2桁の年号はほぼ自動で決まるのです。

 

 上2桁はほぼ自動で決まる

例えば織田信長と聞いて1800年代や1900年代を想起する受験生はいないと思います。同様に、聖徳太子と聞いて900年代を想起する受験生もいないはずです。

この様に、ある出来事が1~2000年の大体どこら辺かの感覚をあなたは既に獲得してい流のです。これが非常に重要で、かつ使わない手はない感覚です。

先ずはこの↓各時代の年表を見て下さい。 

奈良   710年 – 794年
平安   794年 – 1185年
鎌倉   1185年 – 1333年
建武新政 1333年 – 1336年
室町   1336年 – 1573年 
安土桃山 1573年 – 1603年
江戸   1603年 – 1868年
明治   1868年 – 1912年
大正   1912年 – 1926年
昭和   1926年 – 1989年
平成   1989年 – 現在

以上のことは何となく御存知だと思います。それではここから、各時代の上2桁を抜き出した物を見てみましょう。(0は省略)

奈良:7
平安:7891011(長いので前期・中期・後期で分ける)
鎌倉:111213
建武13
室町:131415
安土桃山:ほぼ15
江戸:161718(前期・中期・後期で分けやすい)
明治:ほぼ18
大正:19
昭和:19
平成:1920(最近だし何となくわかる)

 

パッと見多く見えるかもしれませんが、最初の方は小学校で覚える内容(794うぐいす平安京とか、1192作ろう鎌倉幕府とか)であり、最近200年くらいは感覚的にわかり、何よりある時代の終わりは同時に次の時代の始まりなので、実質的覚えるのは見た目の半分以下の量です。

そう考えると、気を付けなればならないのは平安時代と江戸時代ぐらいで、残りはほぼ自動的に上2桁は決まります。なので、たとえ覚えるしても下2桁でいいのです。

結論:覚えるにしても下2桁で事足りる

(ぜんっぜん関係ないけど「パワプロ98」や「ダビスタ99」も上2桁が19なのが明白だから省略されている)

 

まとめ

さて、今回の主張を改めてまとめてみましょう。

 

歴史の年号を丸暗記する必要はない。年号を直接解いてくる入試問題は稀で、時代や流れを理解していれば解ける問題がほとんど。また、仮に年号を覚える必要があったとしても、下2桁でいい。なぜなら、下2桁が分かっているれば選択肢の判別はできるし、何時代の出来事か分かっていれば上2桁はほぼ自動的に決まる。

 

今回は以上です。

 

ここまで散々年号暗記の悪口(?)を言ってきましたが、出来事が起きた年を記憶することを自体は無駄だとは思っていません。覚えていないより、覚えていたほうがいいのは間違いないです。そして、出来事と起こった年代は、本来不可分なものであります。

ただ、繰り返し述べたように、出来事の本質は主体や事象の方であり、年号の方ではありません。そして受験において年号は手段の1つです。手段を目的化してはいけません。

そして、幸いなことに受験日本史は年号を覚えなくても、事象を理解していれば解ける問題になっています。これは大学側が事象を理解していることに価値を置いているという証明であり、また出題者からのメッセージです。

あなたが効率的に勉強して、受験日本史を華麗に乗り越えてくれることを心より祈っております。

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