2018年にTOEICの教材に関する内容を書きました。
あれから1年、引き続き色々な参考書に手を出しているので、現時点でのオススメに改めたいと思います。
基本的には↑と同じ内容で、文体を変えて一部加筆修正している感じです。
なぜ公式問題集を使わないのか?
まず前提として、TOEICの公式問題集は必ずしも必要だとは思っていない。もちろん、やらないよりやった方が良いのは当たり前なんだけど。無くてもなんとかなるし、学習環境によっては別の教材の方が良い、というのが正直なところだ。先ずはその理由を説明したいと思う。
公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 4
- 作者: Educational Testing
- 出版社/メーカー: 国際ビジネスコミュニケーション協会
- 発売日: 2018/10/10
- メディア: 大型本
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さて、受験生のバイブルとも言える公式問題集に苦言を呈するのは些か気が重い。少しでも気に障る事を言おうものなら、世のTOEICer達(TOEICをこよなく愛している人達)から刺されそうな雰囲気まである。
しかし、それは一旦置いておいて、公式本の特徴を挙げると以下の通りです。
◎問題の質
△値段が高い
×リーディングの音がない
×デカイ・重い
それぞれにコメントを付けると
◎問題の質→さすが公式!最高だぜ!
△値段が高い→社会人なら、飲み会一回分だと思えば...。
×リーディングの音源がない→あかん!ダメ!
×デカイ・重い→勉強しにくいー!持ち運びに不便ー!
という感じになります。
もう少し詳しくコメントしていきましょう。
◎問題の質
これは言わずもがな、実際のTOEICの問題を作成してるETSが出している問題集なので、これ以上の問題集は無い。受験で言えば過去問だ。勉強に過去問は不可欠。可能であれば使用したい。
△値段が高い
価格は3000円程度、類書や一般的な本の相場が1000〜2000円なのを考えると少し高い。ただ、5000円、10000円するわけでも無いし、TOEICの受験生が主に社会人なのを考えると、そこまで高いとは言い切れない。割引で見た映画2回分、軽く外食して奢った程度である。
×リーディング音源がない
これはいただけない。語学の勉強に音はあった方がいい。リスニング対策も兼ねてシャドーイングをするにしても、スピーキングの下地のために音読するにしても音源はあった方がいい。
旧バージョンではリーディング音声を一部配布していたりしたが、そのサービスも思ってしまった。仮に今後リーディングの音源を配布するようになったら、公式問題集1択になる可能性はある。
×デカイ&重い
これが公式本を使わない最大の理由だ。余程の暇人で無い限り、まとまった勉強時間の確保は難しい。そうなるのと、通勤時間やお昼休みに勉強時間を捻出するしかない。
朝の満員電車で公式問題集を広げるわけには行かないし、ただでさえ仕事道具で重いのに、さらに公式問題集を入れるのは気も重い。
TOEICを受験しようとするあなたは、きっと忙しい中時間を捻出しようとする人だと思います。であれば、使用する教材はスキマ勉強に向く小さく軽い本が適当ということになります。
これからいくつか対策本を紹介しますが、全て問題の質もサイズも最適もの、つまり以下の条件を揃えているものばかりです。
◎問題の質→何度もやる価値あり!文ごと暗記する価値アリ!
◎値段が高い→1000円以下、安い!
◎リーディングの音源アリ→リーディング対策もバッチリ!
◎小さい・軽い→勉強しやすい!
つまり今回の趣旨は、
安くて小さくて軽いコスパ最高の教材を、たった3~4冊使ってTOEIC800点を超えよう!(予算MAX4000円)
という事です!
まずは500点を超えたい
TOEICで500点に満たない場合、中学高校レベルで積み残しの可能性がある。その場合は少し遠回りでも、基礎からやり直した方がいい。詳しくは↓こちらを参照して、少なくとも文法はこの内容から入って欲しい。
どうしてもTOEICに準拠したい参考書を使用した方には、こちらをオススメします。
入門特急 とれる600点
TOEIC TEST 入門特急 新形式対応 とれる600点 (TOEIC TEST 特急シリーズ)
- 作者: TEX 加藤
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2016/04/07
- メディア: 新書
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この本の最大の売りは、各パートの詳細な解説があることです。
各パートの特徴、問題形式、対策、勉強方法など、実に細かく解説されています。著者の名前が問題中に出てきてウザい!的な声もありますが、正直私は気になりませんでした。
どうしても合わない方には、代わりにこちらを提案します。
正解特急 ルール55
2011年に発売されたので、さすがに新形式には対応していません。しかし「TOEICを知る」という意味ではまだまだ現役の教材です。
- 作者: 森田鉄也,Karl Rosvold
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2011/05/06
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 16回
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この本の最大の特徴が、メチャメチャ薄いことです。
下の写真を見ていただければ分かりますが、ただでさえハンディーな特急シリーズに中でも、極めて薄いです。
参考書が薄いことのメリットは実は結構あります。
まず、触って物理的に小さいので沢山勉強しなきゃいけない感じがしません。これは、勉強する際の心理的なハードルをかなり低くしてくれるのでgoodです。
また、単純に1周するのに必要な時間が短いので、他の教材と同じ時間で何周も回すことができます。これによって「自分めっちゃ勉強してる〜〜!」と充実感を持って勉強に励むことができます。
現状500点未満の場合、過去に勉強しなかったor英語から長い間離れている、のどちらかだと思うので、できる限り最初のハードルは低くした方がいいです!
先ずは「この薄さなら1周やり切れるかも」という気持ちが大事です。
スモールステップ、困難は分割せよ。英語から少し離れてしまった方は、是非これらの本から学習をリスタートしてみて下さい。
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500~700点から800点を超えたい
さて、ここからが本番です。今回はこの層をメインの読者と考えています。
今は思うように点数が上がらず苦しんでいるかもしれませんが、これから紹介する教材を信じて、徹底的に使い倒して下さい。そうすれば自ずと点数は伸びていきます。
①リスニング対策本
リスニング対策でオススメなのはこちらです。
オススメポイント
TOEICは2016年5月の試験から内容が少し変わりました。例えばリスニングだと、3人の会話文が流れたり、図表見ながら解く問題が追加される様になりました。
本書は、その形式変化に対応している数少ない本の1つです。
TOEICにおいて問題形式の「慣れ」は超重要です。慣れてさえ入れば実力以上の結果を残すこともできます。
新形式に対応しているという意味では、森田鉄也先生の「TOEIC TEST 模試特急 新形式対策」もありますが、レイアウトが少し使いにくいです。問題と解答が少し離れた構成になっており、繰り返し学習にやや不向きです。
使い方
本書の中に詳細な勉強法の解説ページがあります。基本的にはその指示にしたがって勉強して下さい。言われた通りにするだけでも自然と点数は上がっていきます。
後ほど詳述しますが、個人的には50回音読orシャドーイングがオススメです。
どんな問題集もそうですが、解きっ放し、ダメ絶対!
是非挑戦してみて下さい。
②リーディング対策本
奇しくもリスニングと同じ筆者になってしまいましたが、リーディングのオススメはこちらです。
TOEIC L&R TEST サラリーマン特急 新形式リーディング (TOEIC TEST 特急シリーズ)
- 作者: 八島晶
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2018/04/13
- メディア: 新書
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オススメポイント
リーディングは苦手とする人が多いせいか、いわゆる良書と言われる本がたくさんあります。例えばpart5&6対策なら花田徹也さんの文法特急。part7対策なら神田正哉さんとTEX加藤さんの読解特急など。
しかし、本の冊数が増える事は、すなわち勉強の手間が増える事を意味します。
本記事の趣旨は「最小の努力で最大の成果」です。リーディングセクションを1冊で対策できるなら、それに越したことはない。そんな時にオススメなのが本書なのです。
本書1冊でpart5・6・7全て対策することができます。さらにリスニング同様、詳細な勉強指南も入ってます。勉強に疲れた時など読み返すとgoodです!
使い方
こちらも1周したら、まずは50回音読orシャドーイングするのをオススメします。
しつこいですが、解きっ放し、ダメ絶対!
使う教材を少なくした分、1つの教材を深く深く掘り下げていって下さい。このレベルまでやり込めば、リーディングパートは350~400点(495点満点中)で安定してきます。
疑う前に信じて取り組んでみて下さい!
音読やシャドーイングについて
ここまで2冊、リスニングとリーディングの教材を紹介してきましたが、この2冊の使い方を少し詳しく説明したいと思います。
1周目
1周目は普通に解きます。一気に解く必要はありません、隙間時間に少しずつ進めればOKです。
そして解説をよく読んで、解答のプロセスや知識を理解して下さい。特にリーディングのPart5&6は文法や語法が含まれるので、人に解説できるレベルを目指して下さい(気持ちでいいので)。
2周目以降
ここまでやったら、先に挙げた通り50周を目指します。音読とシャドーイングでは、音読の方が簡単なので、まずは音読から始めて下さい。
付属の音源も利用しつつ、音読を10〜20周します。このぐらい繰り返すと、音読が余裕になって飽きてきます。このタイミングでシャドーイングに切り替えます。
シャドーイングは音読と比べると難易度が一気に上がります。そうすることで脳が怠慢になることを防げます。勉強で脳を飽きさせないのは重要です。
それなりの熟練者にならないとシャドーイングを1回でできるようにはならないので、こちらもコツコツ続けて行きましょう。1つの英文を1日3周とか5周とか、無理ないペースで大丈夫です。
仮にシャドーイングできるようになっても暫くは継続して下さい。目標は「余裕で落ち着いてもシャドーイングできる」レベルを目指して下さい。
まとめ
1周普通に解いて、解説や和訳をよく読む
↓
音源を聞きつつ10〜20周音読する
↓
音読が余裕になってきたらシャドーイングに切り替える
↓
トータル50周になるまで繰り返す。
↓
50周超えても「余裕」レベルでシャドーイングできなければ、できるまで繰り返す
まとめるとこんな感じです。これだけでも、相当な練習量になります。
私の場合は1日1~2時間の勉強で、大体3ヶ月ぐらいかかりました。次の試験には間に合わないかもしれませんが、続けて下さい。
この回数ををやり遂げた時には、見違えるほど聞けるし読めるようになります。
今まで色々な教材に手を出して結局点数が伸びなかった人ほど、この方法をオススメしたいです。
50周を達成するためのイメージ
50周も無理だよ!思う方のために、どんなペースで進めればいいかの具体例を出そうと思います。私自身の体験ではありますが、50周に達するイメージは次の通りです。
1ヶ月目:1日2~3問ずつ、しっかり精読&音読する。
=各文2〜3周の音読が完了する
↓
2ヶ月目:1日5問ずつ、シャドーイングできる様に練習する
=各文20周の音読orシャドーイングが完了する
↓
3ヶ月目:1日1周シャドーイングして回す
=各文50周の音読×シャドーイング完了
前提として、1日1〜2時間しか勉強時間が無い場合の想定です。なので、もっと勉強時間が確保できる人なら、3ヶ月もかかりません。
1ヶ月目
しっかり解説まで読み込むので、1日で2〜3問しか進みません。
英文の不明点がほぼ無いレベルまで精読して、2〜3周音読します。こうしておくことで、次の復習が非常にスムーズになります。
リスニングレベルは、音声を流し聞きして、何となく内容を思い出せるレベルです。
2ヶ月目
このペースで少しずつ進めると、1ヶ月で最後まで精読が終わります。そうしたら、また最初から解き始めて下さい。
1周目は1日2~3問でしたが、今度は同じ時間で5問程度進められるはずです。問題は無理して解く必要はなく、1英文につき10周ほど音読かシャドーイングをして下さい。
これを1ヶ月続けると、全体で各文20周ほど回したことになります。
3ヶ月目
ここまでくると大分慣れてきているので、最後の1ヶ月は1日1周シャドーイングを目標にして下さい。
そう言われると、めちゃめちゃ時間がかかりそうな気がしまうが、実は1時間程度できてしまいます。1日1周を目標に、毎日続けて下さい。そうすることで3ヶ月目で50周を達成することができます。
もちろん50周に満足せず、100周を目指してもいいです。1時間とかからず1周シャドーイングができるので、かなりコスパがいい学習法です。シャドーイングで飽き足らない方は、暗唱できるレベルを目指して下さい!!
それを人前で軽く披露するだけで「めっちゃこの人英語できるー!」と勘違いされます笑
③単語帳
単語帳はみなさん既に持っていると思いますし、単語を覚えるのに積極的な人はいないと思うので最後に紹介します。
個人的に「語学学習は単語に始まり単語に終わる」と思っています。文法や構文が理解できる様になったら、後はひたすらは語彙力の勝負です。である。
要は、TOEICの点数上げたかったら四の五の言わず単語覚えようぜ!ってことです。
TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ (TOEIC TEST 特急シリーズ)
- 作者: TEX加藤
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2017/01/06
- メディア: 新書
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TOEICの単語帳と言えば、現状この金フレでOKです。
リンクからアマゾンレビューを読んでもらえれば、絶賛の嵐なの見れます。なので、あまり言う事はありません笑。
個人的にオススメポイントは、持ち運びに便利なサイズと軽さです。もちろん内容も良いですが、単語帳という性質上、内容に大きな差は生まれません。
そうなると、繰り返しを前提とした、レイアウトや大きさといった部分が大事になってきます。本書はその点を全てクリアしています。
2017年に改定されましたが、両方やった感想としては改訂版の方が良いです。
発音記号が追加されたこともそうですが、それ以上に「最近のTOEICでよく見かける単語」がよく反映されています。TOEICの様な最新の傾向がある試験は、最新のものを使った方が無難です。
金フレは文章と言うよりフレーズ集なので、無理してシャドーイングはしなくて良いです。
④800点超えたら+もう1冊
リスニングと併せて800点超えてきたらオススメなのが、こちらのリーディング教材でです。
オススメはしますが、無理に手を出す必要はありません。既に紹介した教材にまだ深めて行く余地があれば、そちらを優先して下さい。先述しましたが、ポイントは「シャドーイングが余裕でできる」か否かです。
シャドーイングが余裕でできないのであれば、次に紹介する教材は無理に手を出さなくて大丈夫です。
TOEIC L&R TEST 900点特急 パート5&6 (TOEIC TEST 特急シリーズ)
- 作者: 加藤優
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2017/09/20
- メディア: 新書
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リスニングとリーディングでは、点数が上がりにくいのが実はリーディングです。そして、この教材でもシャドーイングを取り入れる事によって十分リスニング対策ができます。よって、4冊目として追加するのはリーディング用教材なのです。
900点を銘打っているだけあって、出てくる問題も単語も少しレベル高目です。これも先ずは1周して、解答の根拠を確認しつつ50回シャドーイングして下さい。
800点を超えたなら、音読よりシャドーイングを積極的に取り入れていきましょう!金フレにも入っていない、TOEIC頻出単語が散りばめられています。シャドーイングしながら貪欲に吸収していきましょう!
まとめ
今回の解説は以上です。最後に教材だけ確認したい方用のまとめです。
500点未満
→中高の勉強からやり直す
→どうしてもTOEICに特化したかったら入門特急とれる600点
500~700点
→リスニングはサラリーマン特急 新形式リスニング
→リーディングはサラリーマン特急 新形式リーディング
800点超えたら
以上です!!