マンガは人生を変える。
実際、変わったと思う。
しかし、自分の根底にある価値観を揺さぶるほどの変化が起こるのは、
人生のごく限られた時期に限られると思う。
自分の人生を振り返ると、
東京大学物語やヒミズを読んで、自分が特別じゃないことを学んだ。
ザワールドイズマインやキーチ!やを読んで命を燃やすことを学んだ。
読んだのは中高生。
どれも傑作漫画ではあるが「今読んだら刺さるか?」と言えば、けっこう怪しい。
当時の感動はないだろうし、人生に大きな影響も与えない。
「なんかすごいマンガ読んだな...。全然共感できないけど」
ぐらいしか多分思わない。
小学生には小学生の、
中学生には中学生の
高校生には高校生の
大人には大人の
それぞれに向けたマンガがある。
主人公の年齢が、読んでほしい世代かもしれない。
少年ジャンプの主人公に、大人はほどんどいない。
さわさりながら
大人になってから読んだマンガで、
「これ多感な時期に読んでたらヤバかった」と思うマンガに時々出会う。
漫画として面白いだけではなく、立派な思想書になっている。
多感な時期に読んでたらヤバかった、人生変わってた。
別にマンガに限らない。
太宰や三島や漱石、古典文学だってタイミング次第。
出会うには多分早すぎた。
「多感な時期に読んでたらヤバかった」と思うマンガは、
人生の1冊になり得たマンガだ。
そう考えると
これからの人生で、
人生を変えるマンガには出会わない。
それでもマンガを読み続けている。
いつか読めなくなるその日まで。