結論として、大満足です。
小学生の時に出会った作品が、26年の時を経て、ここまで綺麗に終わるとは思ってませんでした。
「アベンジャーズエンドゲーム」を観た後の様な、ただただ満足感だけが残っています。関わった全ての人にありがとうを伝えたいです。
ネタバレありの話もしますが、できるだけ早く最寄りの劇場で見て下さい。
基本情報
タイトル:シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇
総監督:庵野秀明
製作会社:カラー
公開日:2021年3月8日[2]
上映時間:155分
公式サイト:エヴァンゲリオン公式サイト
サブタイト「THRICE UPON A TIME」の意味
色々の考察が出ていますが、個人的には「3回目のエヴァンゲリオン」だと解釈しています。
THRICEは「三度」
UPON A TIMEはonce upon a time(ワンサポナタイム)「昔々〜」の後半部分
思いっきり意訳すれば「三度目の正直」的な意味じゃないかと思います。
何が三度目の正直なのかと考えれば、エヴァンゲリオンシリーズそのものでしょう。
①TVアニメ版シリーズ
③新劇場版シリーズ(序・破・Q・𝄇)
今作含めて描かれてきた3つのエヴァンゲリオン世界。
TVシリーズの衝撃のラスト、劇場版「Air/まごころを、君に」のとんでもないラスト。その度にファンからの熱い反応があったことでしょう。
まさ「THRICE UPON A TIME」三度目の正直と言っていいのではないでしょうか。その意気込みはタイトル「:||」にも表れています。
「:||」に込められた意味
「:||」音楽記号で「反復終了」を意味します。
つまり、これまで様々な形で繰り返されて(反復されて)きたエヴァンゲリオンシリーズの終了と考えられます。
事前に観ておきたい過去作品
「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」を観る前に、できれば劇場版シリーズ「Air/まごころを、君に」の鑑賞をオススメします。
言ってしまえば、前のエヴァンゲリオン世界の最終話、今作とリンクする部分が多々あります。
*ここからネタバレを含みます
*ここからネタバレを含みます
*ここからネタバレを含みます
ネタバレありのストーリー説明
それでは「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」を振り返っていきましょう。
時系列や詳細があやふやな部分もあると思うので、ご了承の上お読み下さい。
これまでの振り返り
冒頭で新劇場版シリーズ(序・破・Q)の振り返り映像が流れます。劇場版名探偵コナンにも腫瘍登場人物の説明が入りますが、あれをもっとすっ飛ばした感じです。
公式で配信されています。
過去作品を観ずに劇場に来る人は少数だと思いますが、付き合いで来た人にも優しい設計です。
イントロ:旧パリ市街地攻防戦
旧パリ市街地攻防戦からスタートしますが、2019年に全世界配信されたものと同じ内容でした。こちらの記事の中に動画も含まれています。
序盤:碇シンジの絶望と再生
シンジ、クローン綾波、アスカの3人は大人になった鈴原トウジに助けられ、トウジの暮らすコミュニティー第3村に移動。
シンジ:終始ダウナー状態、誰とも関わろうとしない
クローン綾波:人々と触れ合い、人の感情を理解し始める
アスカ:シンジに切れつつも、監視を怠らない
とにかく丁寧に労働と日常を描く。(師匠にあたる宮崎駿イズムを感じる)
最終的にクローン綾波の助けもあり、シンジは他者と関わり始める。しかしその時、クローン綾波は活動限界が来ておりL.C.L状態になり消える。
シンジは反NERV組織「ヴィレ」に戻る事を決意する。
中盤:南極大陸攻防戦
ヴィレに戻ったシンジは再び拘束され軟禁状態へ。
一方、NERVの人類補完計画は最終段階に来ており、それを察知した葛城艦長は碇ゲンドウのいる南極へむかう。シンジとアスカは和解。
戦艦同士の対決からのアスカとマリの出撃、2人はなんとかエヴァ13号機に接触する。
しかしそれも碇ゲンドウの想定内で、フォースインパクト(アナザーインパクト)が始まる。アスカはオリジナルのアスカに取り込まれ離脱。
一同が諦めかけたなか、碇シンジが自ら初号機に向かうといい、マリと2人で碇ゲンドウ(エヴァ13号機)の元へ向かう。
終盤:碇ゲンドウの絶望と再生
碇ゲンドウのとシンジが親子として向き合い、戦闘を重ね、ついに和解。
ゲンドウ自ら自身の人生と、人類補完計画が妻ユイとの再開のための計画だったと告白。
ゲンドウは妻であるユイとの再会が叶わないことに絶望するが、最終的にはシンジとの繋がりを築くことで、ユイとの再会を果たし離脱。
ラスト:さらば、全てのエヴァンゲリオン
シンジはエヴァパイロットそれぞれ、アスカ、カオル、綾波を開放し、またエヴァンゲリオンも開放していく。
空と海の色が戻り、地上は復活する。
時が経ち、JR宇部新川駅で再開するシンジとマリ。
ホームの向かいには、アスカ、綾波、カオルの姿も。
駅の外に出るシンジとマリ。
<終劇>
感想まとめ
エヴァンゲリオンシリーズは、物語のストーリーだけではなく、庵野監督自身の心の変遷だと思うとより楽しめます。
シン・ゴジラでも描かれてましたが、晩年の庵野監督作品には、社会やコミュニティー、家族や次世代への関心が見て取れます。
また「さらば、全てのエヴァンゲリオン」は庵野監督自身のエヴァへお別れの挨拶であると同時に、観客である私たちへのメッセージであるように思いました。
「色々風呂敷広げて、考察させたり、深読みさせたね。でも、これでお終い。エヴァと付き合ってきてくれてありがとう。これからは、君たちは君たちの人生を生きなさい。ありがとう。さらば、全てのエヴァンゲリオン」
そんな監督からのメッセージだと思いました。
庵野監督、長い間お疲れ様でした。26年間、大変楽しませて頂きました。
次回作「シン・ウルトラマン」を観るまでは生きていたいと思います。
2014年にコミック版も完結しました。併せてどうぞ。