英国『Sight and Sound』誌主催、「1,639人の批評家、プログラマー、キュレーター、アーキビスト、学者が選ぶ史上最高の映画100選」について今回はまとめます。
この企画は10年ごとに行われ、今回が8回目です。
前回は2012年に行われ、その時はヒッチコックの『めまい』が1位に選ばれました。
タイトルの通り、目の肥えた視聴者が選出する本企画。果たして私のような凡人にその感性が理解できるのか?早速2022年のランキングをみていきましょう!
1~10位
1.ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地
1975年、ベルギー&フランス映画。
監督:シャンタル・アケルマン
原題:Jeanne Dielman, 23 Quai du Commerce, 1080 Bruxelles
3時間ある。フランス映画が苦手は人には厳しい気もする作品。
2.めまい
1958年のアメリカ映画。
原題:Vertigo
公式コメント:高所恐怖症の元刑事が、過去に取り憑かれたと思われる女性の後を追うために雇われる。
10年前の1位。今回は2位でしたが、相変わらず高評価。
3.市民ケーン
1941年のアメリカ映画
監督:オーソン・ウェルズ
原題:Citizen Kane
公式コメント:新聞王チャールズ・フォスター・ケインを描いた、オーソン・ウェルズの傑作デビュー作。
いわゆる成功者の孤独を描く映画の元祖。
これを現代にアップデートしたのが、ソーシャルネットワーク。古典映画が苦手な人は、こっちから見るのがオススメ。
4.東京物語
1953年の日本映画
監督:小津安二郎
英題:Tokyo Story
公式コメント:小津安二郎のシンプルでエレガントなスタイルで描かれたこの物語は、世代間の不和が胸を締め付け、深く人間的な物語となっています。
日本映画の最高峰は「東京物語」でした。
何がすごいかと言われれば、難しいですが、ネトフリではテンポを強調したCMを作成しています。
漫画家の山田礼司先生は、小津安二郎監督特集で凄さを解説しています。
動画内でも触れられていますが、映画監督が選ぶ映画ではNo.1を獲得しています。
5.花様年華
2000年の香港&フランス映画
監督:ウォン・カーウァイ
原題:In the Mood for Love
公式コメント:ウォン・カーウァイの代表作。抑圧された欲望が脈打つ、悲痛な愛の物語。
6.2001年宇宙の旅
1968年のアメリカ&イギリス映画。
原題:2001: A Space Odyssey
公式コメント:人類の起源から星の子への進化を描いたスタンリー・キューブリックの壮大なビジョンは、SF映画の頂点に立つ作品である。
セリフがほとんどなく、映画館で見ると寝落ちする映画No.1(個人調べ)。
映画では語られない部分を補完してくれるのがテキスト版があるが、めちゃめちゃ雑にまとめると、人類の進化を、武器やAIとの戦いで描いた作品である。
7.美しき仕事
1998年のフランス映画
監督:クレア・ドゥニ
原題:Beau travail(ボー・トラベイル)
邦題を探すのにも一苦労した作品。日本ではほとんど知られてない作品みたいですが、LGBTQに分類されている作品みたです。
8.マルホランド・ドライブ
2001年のフランス&アメリカ映画。
監督:デヴィッド・リンチ
原題:Mulholland Drive
アマプラ紹介文:マルホランド・ドライブで起きた車の衝突事故で記憶を失った女は、近所の家に迷い込み、女優の卵ベティと出会う。同居することになった2人は、いっしょに彼女の素性を調べはじめるが……。
デヴィッド・リンチ監督の作品「イレイザーヘッド」や「エレファントマン」は一部でカルト的な人気を誇っていますが、それらを抑えてまさかこの作品がTop10に入るとは...。
シュールレアリズム(ダリっぽやつ)ホラーの傑作と言われることもありますが、集中しないと何が起こってるか理解できない作品の一つだと思っています。
9.カメラを持った男
1929年のソビエト連邦映画。
監督:ジガ・ヴェルトフ
英題:Man with a Movie Camera
公式コメント:底なしの発明と熱狂的で目まぐるしいモンタージュが、公開から1世紀近くたった今、この交響曲を映画界で最もシャープでエキサイティングな体験のひとつにしている。
公開当時の邦題は「これがロシアだ」、シンプルでパンチのあるタイトルで好きです。
今では当たり前となった撮影&編集技術がたくさん盛り込まれた実験的作品です。
10.雨に唄えば
1951年のアメリカ映画。
原題:Singin' in the Rain
公式コメント:1920年代末、サイレント映画からトーキー映画へと移行したハリウッドの困難な状況は、おそらくミュージカル映画の最高峰にインスピレーションを与えた。
映画を見たことはなくても、メインテーマのシーンは見たことある、でお馴染みの映画。思わず見惚れる素晴らしい映像です。
11~20位
11.サンライズ
1927年 アメリカ
監督:F.W.ムルナウ
原題:Sunrise: A Song of Two Humans
公式コメント:ドイツ表現主義の代表的な作家による初のアメリカ映画で、画期的な撮影技術を駆使した豪華で趣のあるサイレント・ドラマ。
12.ゴッドファーザー
1972年 アメリカ
原題:The Godfather
公式コメント:フランシス・フォード・コッポラ監督による犯罪組織コルレオーネ・ファミリーを描いた壮大な3部作の第1作。
13.ゲームの規則
1939年 フランス
監督:ジャン・ルノワール
原題:La Règle du jeu
公式コメント:ジャン・ルノワールが描くフランス社会のフレスコ画。上流階級と下層階級の人々が集まり、週末にカントリーハウスで繰り広げられる騒動を描く。
14. 5時から7時までのクレオ
1962年 フランス、イタリア
監督:アニエス・ヴァルダ
原題:Cléo from 5 to 7
アマプラ紹介文:シンガーのクレオ。彼女はガンを患っているかもしれないという恐怖を抱えながらパリの街をあてもなく歩く。7時の医師との約束の時間までの5時からの2時間を、クレオは友人や知り合いに会っていく。
15.捜索者
1956年 アメリカ
監督:ジョン・フォード
原題:The Searchers
アマプラ紹介文:南北戦争が終結。一匹狼のイーサンはテキサスの兄の家を訪れる。しかし、愛する兄と義姉はコマンチ族に虐殺され、その娘たちまでもさらわれてしまう。復讐を心に誓いイーサンは、仲間と共に捜索の旅に出る。
16.午後の網目
1943年 アメリカ
監督:マヤ・デレン、アレクサンダー・ハッケンシュミード
原題:Meshes of the Afternoon
公式コメント:『Meshes of the Afternoon』の鋭く刻まれた夢の世界の前に、カリフォルニアの陽光がこれほど暗示的で不吉なものに見えたことがあっただろうか。
14分の短い映画で、市場には出回っていないため単品はめちゃめちゃ高値でした。監督の全集にも収録されていたので、そっちで購入されるのがオススメです。
17.クローズアップ
1989年 イラン
監督:アッバス・キアロスタミ
原題:Close-up
公式コメント:事件に関する「情報」が提供されればされるほど、提起されているどの質問にも簡単には答えられないということに気づかされる。
小津安二郎の熱心なファンを公言しているキアロスタミ監督の作品。監督の作品は、一時入手困難な状態になっていたが、今はかなりアクセスしやすくなった。良い時代である。
18.仮面/ペルソナ
1966年 スウェーデン
監督:イングマール・ベルイマン
原題:Persona
公式コメント:実験的で即興的な映画作りによって、従来のサイコドラマ的な感覚は常に崩壊している。
19.地獄の黙示録
1979年 アメリカ
原題:Apocalypse Now
公式コメント:フランシス・フォード・コッポラ監督によるベトナム戦争の大作。帝国アメリカの最も大げさな悪党ショーの煙と眩しさの中での地獄の旅。
現代は「アポカリプス・ナウ」だが、これを「地獄の黙示録」と訳したのは名訳である。
20.7人の侍
1954年 日本
監督:黒澤明
英訳:Seven Samurai
公式コメント:黒澤明が農民の村を守る雇われ侍を描いた、時代劇と道徳・政治的寓話が一体となったスケールの大きい物語。
4位の「東京物語」に続いた邦画は「7人の侍」、日本勢の2位である。
観てもらえればわかるが、日本人でも聞き取るのが難しい日本語で、初見の時は字幕がほしいと思った作品である。
21位〜
*21位以降は順次追加していきます。
先に結果だけ知りたい方は、元ネタのサイトへお飛びください🙏
The Greatest Films of All Time | BFI