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グローバル時代をどう生きるか? 一橋大学2013年英語

パラリーか要約か微妙なラインだが、要は書いた人が言いたいことと、その論理構成を分かりやすくしようという意図である。

分かりやすさを優先するために、タイトルも要約も趣旨を変えない程度勝手に書いてます。(過去問持ってると思うので、真面目で正確なのが知りたければそっちを参照してね!)じゃあ利点は何かと言えば。

・平易な言葉を使ってる

・要約だけで文章の流れが分かるようになってる

・トピックの背景知識や関連知識が身に着く

こんな感じです。内容理解の補助になれば幸いでっす。

 

 

2013年①:マーフィーの法則は本当か?

 

段落要約

⓵「なぜ物事は起こるのか?」はムズい問いだけど、「なぜ悪いことはおこるのか?」よりマシな質問。だって悪いことに特別な注意を向ける必要なんて本当はないからね!!

②パンはジャムをぬった側面から落ちるで有名な「ソッドの法則」を冗談で口にする人々がいるけど、存外本気(マジ)で信じてんじゃないの?

③人間が意識して初めて世界を認識するのであって、世界が故意に自分を困らせようとしている訳じゃないんだよ!

④「ソッドの法則」は悲観的で、「ポリアンナの法則」は楽観的。じゃあ、悲観的に考えたら悪いことが起きて、楽観的に考えたら良いことが起きるの?

⑤んなアホな。コインもトーストも、万物は思考や感情や人格を持たない。最初の質問に戻ろう「なぜ物事は起こるのか?」その答えは、偶然だ。それ以上でもそれ以下でもない。この考えを受け入れない人はいるのは分かる、ハイハイ、因果応報、信賞必罰、ワロスワロス、宇宙は人間の好みなど気にしないんだよ。

 

ポイント

今回の文章は、個人的に好きな部類の内容だった。僕らは不確かな世界をなんとか生きていくために、兎角パターンや法則を作りたがる。占い、ジンクス、願掛け、験担ぎ、全てそうだ。何もそれらが悪いとは言わない、それで感情なり行動に実際の変化があれば、十分意味がある。しかし、この文章はそれらを一切切り捨てている。

起きることは起きる、起きないことは起きない。そこに意味を見出すのは勝手だが、全て単なる偶然に過ぎない。これが筆者の主張である。

この考えに多くの人が反感を覚えるのは当然である。不確かな世界を何とか説明するため、法則を勝手に作ってしまうのが人間なのである。AだからB、BだからC、その論理の正誤を”経験則”的に作ってしまう。そうでもしないと世界は未知過ぎて、不安で眠れなくなってしまうのだ。

株を守りて兎を待つ、朔日毎に餅は食えぬ、柳の下にドジョウはいない、これらの言葉が人間のその性分を見事に皮肉っている。

 

 

マーフィの法則≒ソッドの法則

さてここからは、本文で出てきた2つの法則について解説していこう。「マーフィーの法則」という言葉を聞いた事がないだろうか?ソッドの法則はこれのイギリス版の呼び方で、一般的には「あるあるネタ

名前の由来になったマーフィーさんは軍人さんで、今ではあるあるネタみたいになっているが、元々は失敗学的な部分が強かったと認識している。

本文でも出てきた「If anything can go wrong, it will.」であるが。この文章だけ取れば「悪い可能性があるモノは、そうなる」となるが、その文面に出て来ていない部分こそ大事だと思う。

つまり、「失敗する余地があるモノは失敗する(だからその可能性を減らそうor失敗したときの策を講じておこう)」ということなのだ。

 

ポリアンナの法則」は少女パレアナから

 いきなりポリアンナの法則が出てきてビックリしたが、楽観的な法則が分かれば別に解答上は問題ない。ここからは、なんでこれが楽観的な法則なのか説明したい。

その昔、アメリカにエレナ・ホグマン・ポーターという小説化がいて、「少女パレアナ」は彼女が1913~1915年の間に書いた一連のヒット作なのである。

その後、このヒット作はディズニーで映画化されたり(1960年)、日本でもハウス食品世界名作劇場でアニメ放映されたりもした(1986年)。要は、それくらい多くの人が知ってて当然で、影響力の大きな作品ってことだ。

 

「良いこと探し」と「足るを知る」

さて、そんな「少女パレアナ」であるが、作中でパレアナは「Glad Game」と呼ばれるゲームをする。それは、どんなにつらい事があっても、その中「良い事を探す」ことによって、生きる希望を見出そうという試みである。(作中では父の死)

ここから転じて「現状を冷静に直視せず、現実逃避や妄想に逃げている」ことを「ポリアンナ症候群」と呼ぶようになったのだ。

パレアナの名誉の為に言っておくと、パレアナの「Glad Game」と「ポリアンナ症候群」は別物である。

さらにパレアナの「良いこと探し」自体は非常に理にかなった手法だと考えている。人は慣れる生き物で、得より損に傷つく生物だ。そうなると、身の回りの足りない物ばかりに気を取られ、無いものねだりの、不満野郎になりがちである。

仏教の言葉に知足(足るを知る)という言葉があるが、これは今自分が持っているもので満足しようという考え方である。友達が自分の思った通りに振舞ってくれなくても、友達がいること自体に感謝しよう。高級料理は食べれなくても、今日の食事に困らないことに感謝しよう。大豪邸には住めなくても、雨風しのげる家がある事に感謝しよう。

こんな風に無いものに目を向けるのではなく、すでにあるものを再認する。当たり前のレベルを下げれば、かくも容易に人間は幸せになれるのである。

 

マーフィーの法則の正体

さて、日常レベルでは「あるあるネタ」になってしまったマーフィーの法則であるが、その正体は一体なんであろうか。

・急いでる時に限って、赤信号ばかり。

・自分の並ぶレジだけ、進むのが遅い。

・書き直した選択肢に限って、元の回答が正解。

・来るなと思っていたら、守備位置のレフトにフライ

これらの事態は何故起こってしまうのだろうか?答えは記憶だ。

事前記憶についての説明をしたが、改めで簡単に説明しよう。人間が覚えられるものは2種類だけだ。①繰り返したもの、②感情を伴ったもの、マーフィーの法則に当てはまるものは何れも強い感情を伴っている。

青信号ばかりでサクサク進めた時、サクサク進んだレジ、書き直して正解した問題、自分の守備位置に飛ばなかったボール、どうだろう、これらも思い返せばあったはずだ。しかし感情を伴わなかった結果、記憶に残らなかった。一方、先の例はいずれも強い(ここでは負の)感情を伴ったはずだ。

良い事は忘れ、悪い頃は覚えていた。あるあるネタと化してしまったマーフィーの法則は、その程度のモノだと思っている。

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2013年②:グローバル時代の高学歴

 

段落要約

①欧米人にとって職のグローバル化サザビーオークション(値段がどんどん上がっていくもの)と同様だと思われてきた。

②ところがどっこい、実際には逆オークションで、労働者による値段の下げ合いが行われている。

③値段だけじゃなくて、労働時間、福利厚生、昇進、などもブラック化している。

④この逆オークションはグローバル初期は低技能労働者だけだったけど、今では高技能労働者にまで及んでいる。その要因は3つある。

⑤1つ目は多くの人が大学教育を受けられるようになったこと、大卒それ自体はそんな価値ないかな。

⑥2つ目は品質とコストの両方を求められるようになったこと。結果としては、高技能な仕事が低コストな国にアウトソーシングされてるよ~ん。><

⑦3つ目は世界で優秀な人材を求める動き、企業は学歴と所得の関係を見直す必要があると思っている。つまり、学歴主義から能力主義への転換である。

⑧能力があると思われている世界のトップ大学のみ需要が集中し、それ以外の大卒との差が広がっている。つまり、彼らと同じ学歴、経験、技能があっても好待遇を受けれないのだ。

⑨この結果、アメリカ大卒者達は高技能低所得の労働者となっている。以前は収入の差は業績の差だったけど、今はそうじゃなくなってるよね~@アメリカ

 

ポイント

グローバル化と労働の関係を説明した文章である。明らかに欧米視点のややネガティブな文章であるが、途上国の労働者視点に立てば労働のグローバル化は仕事が増えるのでポジティブにとらえることもでる。

さて、本文は特にアメリカの労働市場について述べられているが、ここをまとめると、「アメリカのトップ大学じゃない学生は、例えトップ校の学生と同じ能力があっても、不遇な状況に追い込まれてるよー!グローバル化で」って感じである。

さて、正しく本文を読み取れただろうか?読み取れなかったのなら、あなたは学歴についてとんでもない勘違いをしているのかもしれない。

 

東大だろうがFランだろうが学歴は同じ 

東大と偏差値50以下の経営難に陥ってる大学、どちらの卒業生が高学歴だとうか?答えは"同"学歴である。

学歴というのは、あくまで学業に関する経歴であって、同じ大卒なら学歴は同じなのだ。だから、中卒より高卒、高卒より大卒、大卒より院卒、が高学歴というのである。この学歴について勘違いすると、⑧⑨パラで勘違いを起こすかもしれない。

詳しくはこちら↓をどうぞ。 

dero339.hatenablog.com

 

グローバル時代をどう生きるか?

さて本文では、欧米先進国の厳しい労働市場が説明されていたが、翻って日本、さらに自分はどうすべきか、という事を考える良い文章である。

分かりやすいのはパラ⑧で書かれているように、世界のエリート校に進学することである。しかし、それが出来れば苦労しないってか、なかなか厳しいだろう。一橋大学でも精一杯なのに、まして世界のトップ大学を目指すなんてとても現実的とは思えない(思えたらすぐに資料集めだ!!!!!チャンスはあるぞ!!!!!!)

巷には「世界に飛び出せ!┗(^o^ )┓三」みたいな煽りがあるけど、日本に留まっていたい人間だっている。熾烈さが増すこの世界で、僕らはどうやって生きていけばいいのか?

 

スキルの掛け算という考え方

実はその方法はいろいろあるんだけど、今回は一番わかりやすい物を紹介したい。世の中にはスキルと呼ばれるモノが沢山あるんだけど、それを「掛け合わせる」ことによって希少価値を高める、という方法がある。

僕の好きなゲームにドラクエⅥというゲームがあるが、そこには職業システムと呼ばれるモノが存在する。そこで面白いのが、戦士×武闘家=バトルマスター、戦士×魔法使い=魔法戦士、魔法使い×僧侶=賢者など、特定の下級職を組み合わせる事によって、上級職になれる事だ。

下級職はいつでもだれでもなれるから、あまり希少価値はない。しかし、この下級職の組み合わせによって、希少価値の高い上級職へとなれるのだ。

これはゲーム上での話であるが、現実はさらに面白い。現実世界でスキルは無限にあるのだ、スキルの選択次第では簡単にオンリーワンになれるし、スキルを2つではなく、3つ4つと数も増やすことが出来る。どうだろう、そう考えるとそこまで恐れる必要はなくなって来たんじゃないか?

幸い日本に生まれたおかげで、環境的には世界トップクラスにいる。これに安住して安穏と暮らすか、スキルを深めて希少価値の高い人間になるか、あなた次第です!!

 ここら辺の考え方をもっと知りたい人はどちらかどうぞ。

 

21世紀における3種のスキル

現代社会の3種のスキルはIT、会計、語学、と言われている。それぞれが何となく大事なのは分かるが、お尻に火が付かない限り、全部やろうとは思わないのが正直なとこだろう。

この3種のスキルの優れてるところは、それぞれ汎用性が高いことだ、だから3つ全てにリソースを割く必要はないと思う(できたらそりゃいいけど)。どれか1つでも出来そうなモノがあれば、先ずはそれだけ頑張る。その上であなたの大好きなモノと掛け算してみよう。それだけで希少性の高い人材になれる可能性大である。

ちなみに一橋大学を目指そうというあなたは、英語ぐらい出来なきゃダメだぞ!('ω')ノ