知人が速読の本を出したというので、早速読んでみました。
- 作者: ジェネラティブスピードリーディング協会
- 出版社/メーカー: きずな出版
- 発売日: 2019/07/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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私自身は通常20〜30分かけて50ページくらい読むタイプで、数分で一冊という速読法にはどちらかと言えば懐疑的な方だ。
目を素早く動かしましょう系だったどうしよう(^-^;と心配していたら、
眼球を早く動かして見たところで、記憶されないどころか、そもそも脳に情報が送られてないので、本の内容を理解することもできないのです。(p40)
と書かれて少し安心しました。
本の特徴
本書の特徴は、読書に集中する状態を作る方法に言及していることだ。
速読本が読む行為の指南書であることが多いのに対して、その準備段階、前段階に言及したものは珍しい。
GSRとは何か?
そもそもタイトルに書かれてある「GSR」とは何か。
GSRとはGenerative Speed Readingの略で、日本語にすると生成的速読法となる。
生成的な読み方とは何かと言えば、ただ情報をインプットするだけではなく、そこからアイデアや閃きを得る創造的な読書を指す。読書から情報を得て、考えを作りだすのが生成的なのだ。
実践方法
では生成的読書はどうやって行うのか?
生成的読書(GSR)は4つのステップから成る。
4ステップを解説する前に自分なりに噛み砕いて生成的読書法(GSR)を表現すると、集中状態で目的を持って素早く読んでアウトプットする読書法、となる。
今は何を言っているか分からないと思うんで、1ずつ説明していこう。
ステップ1:ジェネラティブ状態に入る
最初にして最大の難所である。言葉自体が新しいく簡単には理解しにくい。
まず、ジェネラティブな状態は様々な言葉で表すことができる。集中状態、頭がスッキリした状態、脳と心が整った状態、没頭状態、ゾーン状態、フロー状態、瞑想状態、マインドフルネス、などなど。
どの言葉で表現してもいいが、とかく読書に集中するための状態を作るフェーズのことだ。
さすがにやり方は本書に譲るが、「マインドフルネス やり方」「瞑想 やり方」などで検索すれば、近い結果が得られると思う。(多分)
グーグルが取り入れたこともあり、瞑想やマインドフルネスに関しての情報はかなり充実してきた。全く初めてという方は、こちらの動画をどうぞ。
アンディー・プディコム「必要なのは10分間の瞑想だけ」
ステップ2:理解したい情報を手に入れるセンサーを設定する
センサーの設定を言い換えれば、読書の目的を設定することだ。
カラーバス効果という言葉を聞いたことがあるだろうか。赤を意識した途端、世界に赤色が溢れていると気がつく。ある車が欲しくなった途端、街中をその車が走り始める。
このように、何かを意識した途端目に映る景色が変わるのがカラーバス効果だ。引き寄せの法則や願望達成法の一つとして紹介されることもある。
人は何かを意識しない限りそれを認識できない。だとすれば、読書の目的を設定しない限り、その読書から何も得られない。
だから目的を設定しましょうね、という至極真っ当な内容だ。
ステップ3:速読脳にアップデートする
それを言っちゃお終いだが、早く読むことに慣れましょう、という事だ。
僕らが本を読む際、心地の良いリズムやスピードがある。私自身で言えば、心の声らしきもので音読して読んでいる。実際に音読するほど遅くはないが、割とシッカリ読んでいる自覚はある。
ただ、仕事で急いでいる時や、大量の文章を読まなければいけない際は、心の音読は発生しない。音を出さずに、目で文字を追っている。
そう、読むスピードは意識すれば変えられるだ。じゃあ、意識的に早く読んでそれに慣れてしまえばいい。
思い出してほしい。ドラゴンボールのセル戦直前、悟空は気分の乱れを防ぐため、スーパーサイヤ人を通常状態にするように修行した。
精神と時の部屋での←修行前・修行後→
普段から意識して早く読むことでそれが普通になれば、ゆっくり読むことに気持ち悪さが生まれ落ち着かなってくる。何事も慣れなのだ。
ステップ4: 五感を使ったアウトプットをする
ここは一番理解しやすいだろう。人はアウトプットを意識してはじめて上質なインプットができる。 読んだ内容を自分のモノにするためにも、アウトプットを意識するのは超重要だ。
漫然と聞いた授業は記憶になくても、自分でしたプレゼンや発表の内容は覚えているだろうし、まして誰かに教えた事は少なくともその時点では理解の度合いは高かったはずだ。
ラーニングピラミッドというモデルがあるが、ここでもアウトプットした方が学習定着が高いことが示されている。
下層の討論・実践・他者に教えるが 学習定着が高いラーニングプラミッドのモデル
アウトプットはぶっちゃけ面倒臭い。だが、上質なインプットをするために、アウトプットは非常に有用なのだ。
こう言ったブログに書くのもアウトプットだし、TwitterやインスタなどのSNSで短くまとめるのも良いアウトプットだ。
読書に関して言えば、読書会が良いアウトプットの場所になるだろう。私も近いうちに読書会を主催したいと思っている。
まとめ
最後にもう一度4つのステップを振り返ってみよう。
- ステップ1:ジェネラティブ状態に入る→集中状態になる
- ステップ2:理解したい情報を手に入れるセンサーを設定する→読書の目的を設定する
- ステップ3:速読脳にアップデートする→素早く読む状態に慣れる
- ステップ4: 五感を使ったアウトプットをする→アウトプットする
以上をまとめると、GSR速読法とは「集中状態で目的を持って素早く読んでアウトプットする読書」と言えるである。
せっかく筆者と知り合いなので、この内容が合っているか確認しつつ、インタビューもしたいと思っています。興味持たれた方は、ご自身でも手にとってみて内容をご確認してみて下さい!
オススメの速読・読書本
最後にオススメの速読・読書本を3冊紹介したいと思います。
読書の技法
月に300冊も本を読む(ホントかよ)知の巨人佐藤優さんの読書本。
私の速読はこの本で定義されている。
本書では本の読み方を
- 超速読(1冊5分)
- 普通の速読(1冊30分)
- 熟読(時間無制限)
の3つに分類し、超速読は一冊を5分、普通の速読は一冊を30分、そして熟読は時間制限なく丁寧に読む、という具合に定義している。
更に大前提として
- 基礎知識が無ければ速読はできない
- 超速読は熟読するに値する本を見分けるために行う
- 速読は内容理解度で熟読には勝てない
の3点を触れており。多くの速読教室で行われている眉唾な速読法を否定している。彼ほどの知識人が紹介する読書法なので、かなり信頼できる内容だ。
本を読む人だけが手にするもの
杉並区立和田中学校の元校長こと、藤原和博氏の著書。読み方の指導は無いが、もっと読書がしたくなる系の本。
彼の主張は一貫していて「まずは100人に一人の人材になりましょう。そしてそれを繰り返して1万人に一人の人材になりましょう。読書はそのために有効な方法ですよ」という感じだ。
読書はすごくお得で、読まないのは勿体無い。いやむしろ読まないと生き残れない。そんな風に思わせてくれる一冊。
氏特有の文体というか、俺凄いやろの雰囲気が随所にあるので、万人にはオススメできない。キングコングの西野さんは藤原氏のロジックを拝借して話すので、そこらへんが大丈夫なら多分大丈夫。
都合のいい読書術
人もお金も動き出す! 都合のいい読書術 [新書版]バカになるほど、本を読め! (PHPビジネス新書)
- 作者: 神田昌典
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2017/09/08
- メディア: Kindle版
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情報商材、ダイレクトマーケティング界隈の巨星、神田昌典氏の「読書のススメ」的本。
特質すべきは圧倒的読みやすさ。何故かは不明だが神田氏の著作はスルスル読めてしまい、自分がものすごく賢くなったんじゃないかと勘違いさせてくれる。
本書の読書会が激推しに影響されて、自分も読書会がしたくなったのは内緒。
氏が開発したフォトリーディング速読法は、この記事で散々ディスった眉唾な内容なので、話半分でいいんじゃないかと思う。(知らんけど)
最後に
本は読みたいけど、なかなか時間が作れない、手が伸びない、という方も多いと思います。そんな方にはオーディオブックという選択子もあります。
私もこれで読書(?)量が圧倒的に増えて、1日1冊は余裕になりました。
ホントにホントにオススメなので、是非併せてご参照下さい!!