久しぶりに自分と縁遠いジャンルの本を読んだので、感想を書いておきたいと思います。今回の本はこちら!
基本情報
著者:竹内薫
ページ数:224ページ
出版社: 日本実業出版
発売日: 2018年9月28日
目次
第1章:なぜ、子どもたちにプログラミング教育が必要なのか
第2章:子どものプログラミング教育に必要な親の心がまえ
第3章:超実践!家庭ですぐできるプログラミング・トレーニング
第4章:プログラミングに必要な子どもの「考える力」を養う
第5章:これからの時代に求められるコンピューターサイエンス
感想
読んで思った事を3点だけ挙げたいと思います。
・軽めで読みやすいが、悪く言うとパンチ力がない
・邪推すると筆者の学校で保護者に配る用の本
・結論は「プログラミングを学ぼう!」
それぞれ補足したいと思います。
軽めで読みやすい
全体的に優しい文体で、難漢字や難しい専門用語も出て来ず、さらっと読むことができます。全5章構成ですが、各章15~20分くらいで読めます。
タイトルで「知識ゼロのパパママ」を謳っていますが、その看板に偽りなしです。知識や集中が求められるのはp77~87ぐらいで。その他は特に予備知識も必要ありません。
文体が優しいのはおそらく筆者の人柄に由来するのでしょうが、それゆえ主張にパンチが足りません。激しい主張がないので、悪く言うと全体的に印象が薄く、記憶に残りにくいです。
これは内容ではなく主張の仕方の問題です。内容は至極真っ当なので、私の好みの問題です。著者の主張がまともなのは改めて強調しておきます。
軽い理由は保護者に配る用の本?
そこで邪推なのですが。この本は、著者が運営しているフリースクールで保護者に配る用の本、なのではないかと思っています。
実際、本書の中でもたびたび著者のスクールへの言及が見られます。さらに、最後の著者紹介の所にもしっかりスクールのアドレスが印字されています。
著者のフリースクールのサイト→ YES International School 横浜のインターナショナルスクール
スクールのネット記事→YESインターナショナルスクール学校長 竹内薫さんインタビュー
それであれば、誰も敵を作らない文体や書き方も納得できますし、パパママ向けの内容なのも納得できます。
これは単なる推測なので真偽の程は不明ですが、そう思わせる記述は散見されました。
主張は一貫して「プログラミングを学ぼう!」
本書の中で著者一貫して「プログラミングを学ぼう」と主張しています。そしてその根拠や実践のためのノウハウを説明しています。その根拠に突飛なものではなく、
・食いっぱぐれない
・論理的思考が身につく
と言った、普通(真っ当)な内容に集約されていきます。
その他の主張を掻い摘むとこんな感じです。
・丸暗記じゃなくて考える力が大事
・プログラミングのためには数学の知識が必要
・お金をかけなくてもプログラミングの基礎は学べる
まとめ
個人的には筆者の著作によく見られる数学ネタ、例えば相手の誕生日やケータイ番号を当てるゲームが入っていたので満足です。早速、子どもや飲みの席で使って見たいと思います。
次の項目に当てはまる人にはオススメです。
・子供にプログライン教室に通わせる検討をしている親
・プログラミング教室を運営している人
・フリーで仕事を受けているプログラマーorエンジニア
タイトルにもある通り、本書は専門知識を持っていない親世代をターゲットにした本です。そして、その狙いに向かうべき内容になっています。なのでプログラミング教室を運営している人は、セールストークや保護者への説得として参考になる部分が多々あります。
劇的で、刺激的で、エッジの効いた本ではありませんが、サラッとスッと読める素うどんの様な本でした。
Amazonで評価するなら星3です!★★★