私の大好きな映画監督、クリストファー・ノーランの最新作である。ひょんなことから公開前に見れたので、オススメの意味を込めて感想を書いて置おく。
結論から言うと絶対映画館で観た方がいい作品だ。
「ダンケルクの戦い」とググって貰えれば分かるが、基本的にこの戦いは撤退戦だ。なので、大勝利!!みたいな展開にはならないし、何なら後味は良くない。それでも、オススメしたい。
映像の美しさが語られがちなノーラン監督だが、今回はそれ以外の魅力を簡単に紹介したいと思う。先に言っておくが、今回割とゆるい。そしてネタバレはしない。
①陸・海・空の特異な3部構成
何となく民間の救出劇のお話かな?と思っていたが、構成は見事に予想を超えてくれた。この物語は陸海軍の3つの視点から、3つの時間軸で描かれる物語である。もう少し言うと、こういう事だ。
- 陸:1週間の出来事
- 海:1日の出来事
- 空:1時間の出来事
これが絶妙に組み合わさって構成されている。だから時間軸もバラバラで、観ている映像の少し前や後、結構前まで戻ったりする。メメントも時間構成が変な映画だったが、今作も中々変な映画である。気を抜いていると、置いてぼりを食らうことになる、
作品に集中するためにも、映画館で観た方がいい!!
②ノーランと言えば音
映画を見る際に、音に注意する人は多くないと思う。特に初見の時はセリフやストーリーを理解するのに精一杯で、音にまで意識を向けるのは難しいかもしれない。
しかし、音は非常に重要な役割があり、「映像作品の素人と玄人を分かつのが音である」とまで言われる。そして、ノーラン監督は代名詞と言って良いほど、実に特徴ある音を使う。ただ、そう言っている人を他に知らないので、私の中での代名詞かもしれない事は併せておく。
効果音、環境音、動作音、音にも色々あるが、初回はBGMだけ良く聞いてみてほしい。遠くの方から不協和音が徐々に近づいてくる感じ、常に何かから追われている感覚、この先の不安や不確かさ、これらは音によって演出している事に気が付くだろう。
ノーランの音を存分楽しむためにも、映画館で観た方がいい!!
③エグい表現は少ない
戦争映画を回避したくなる一つに「見た目の描写がエグい」という理由がある。爆発による四肢の損傷や、 臓器の露出など、見るに堪えない映画は多い…、
大丈夫!ノーラン作品エグくない!
ダークナイトを思い出してほしい。映画史に残る凶悪な敵、あのジョーカーが登場していたにも関わらず残忍は「描写」はなかった。(行なわれてはいたかもしれないが、映像としては見せなかった)
多分ノーラン監督自身エグい描写嫌いなんだよ!じゃあ大丈夫!!戦争だから死んじゃう人達もいるけれど、あんまり見せないよ!!最初に言ったけど、やっぱりノーランが凄いのは映像、ルックなのよ!
ノーランの映像美を楽しむためにも、映画館で観た方がいい!!
おまけ:戦いの背景は知っていた方がいいか?
歴史モノを扱った映画について周るのがこの問題だ。会話劇や戦略中心の映画の場合は、その歴史的背景を知らないと面白さが半減してしまう。
幸いノーラン作品は映像で見せるタイプなので、前提知識が無くても作品は楽しめる。とはいえ最初の状況ぐらいは知っていた方がいいだろう。ザックリ言うとこんな感じだ。
ナチス独「フランス攻めるでー」
英・仏「独にメッチャ囲まれてるー!!!早よ逃げな!!!」
その後、フランスは1ヶ月ほどでパリを明け渡し、さらにその半月後には降伏することになるが、それはまた別の話。さて、準備も万端、
これはもう映画館で観るしかないね!
9月9日、救急の日に公開です!